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【自分の畑は自分で診断する】
これなら分かる「土と肥料」の実践講座-土の中の水 PFを知り、PFを生かす=水分管理と養分管理
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第8回 1994年12月01日
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不得手な乾燥下の水管理
今回はずばり「水」の話です。
「節水」の標語が、生活の中に深く入り込んだ今年の夏は、さぞ、水の問題に関心を持たれ、また悩まされたことでしょう。
しかし世界には、たいへんな乾燥気候のなかでも、豊かな農業生産を上げ、農産物の輸出国になっている国もあります。なかでも、イスラエル農業の節水技術は、大いに学ぶものがあります。
イスラエルの年間雨量は二〇〇mmといいますから、日本の二〇〇〇mmとは比較になりません。しかも、死海からかんがい水を引いているのですが、この水は高い塩類濃度を示すことで有名です。
最近、我が国の施設園芸に導入され始めた点滴かん水チューブの大半は、このイスラエルで考案されたものです。水の絶対的な不足という乾燥地帯の制約を乗り越えるための、必要性の中から生まれた技術といえます。
日本人は、このような乾燥条件下での水の動きや、その手綱さばきに関しては、たいへん苦手のようです。難しい表現をすれば、「不飽和の水管理・土壌管理」がたいへん不得手といえます。
これに対して、「飽和の水管理」、例えば水田の代かきやあぜ塗りなどについては、たいへん得意です。それぞれの作業をどのくらいの水かげんで行えばよいか、経験から身につけた精緻ともいえる技術を私たちは持っています。これは、多雨気候下の民族として当然かもしれません。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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