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編集長インタビュー

貸し農園事業で耕作放棄地を再生 急成長の中でも忘れない理念と挑戦心

全国で拡大する耕作放棄地を有効活用し、農業体験農園の運営システムを提供する(株)マイファーム。同社が2008年に事業を立ち上げた当時、年商300万円にすぎなかった農園レンタルビジネスが、今や年商2億円、全国42カ所に展開するまでに成長している。農村社会特有のハードルを乗り越え、様々なサービスを展開する同社が目指すものは何なのか。代表取締役の西辻一真氏に話を聞いた。

自産自消と耕作放棄地の再生が事業の二本柱

昆吉則(本誌編集長) 2008年7月号の本誌「農・業界」で、御社の取り組みである、農園レンタル事業を紹介させていただきました。あれから2年足らずですが、異業種との提携など、急速に事業が拡大しているようで、何よりです。

西辻一真((株) マイファーム代表取締役社長)ありがとうございます。

昆 それだけ家庭菜園、体験農園に対する潜在的なニーズがあったということだと思いますが、そもそも起業された経緯を教えてください。

西辻 私たちの会社の基本理念は2つありまして、そのひとつとして「自産自消」を掲げています。というのも、「今の日本の社会は豊かと言われているけれど、不足しているものがあるのではないか、それは“人間力”と呼ばれるものなのではないだろうか」ということを思っていたからなんです。足りないものとしては精神的なものと肉体的なものがあるだろう、精神面でいえば自立力だったり、肉体面でいえば自然とのコミュニケーションだったり、あるいは自然を媒介にして行なわれる家族間の交流などもあてはまるでしょう。本来人間や人間社会が持っていたものを取り戻すには、人間をして人間たらしめてきた土に触れる行為を通じて得られるのではないか、土を耕し農作物を育み収穫することで取り戻していけるのではないか、と思ったのが起業のきっかけになります。

昆 もうひとつはなんですか?

西辻 これは私自身の考えが強く反映されたものですが、耕作放棄地を再生していこう、というものです。

昆 体験農園が目的であれば、必ずしも耕作放棄地にこだわる必要がなかったと思いますが、それをあえてやった理由は?

西辻 先人が耕していた場所にもかかわらず、またその当時よりも人口も増えているのに耕せなくなってきていること、持ち主・近隣住民・地域全体から解決方法を求められていること、またこれについてはいろんな意見があるかと思いますが、食料自給率向上の解決方法になりえることから、耕作放棄地を再生していきたいと考えています。

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