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編集長インタビュー

貸し農園事業で耕作放棄地を再生 急成長の中でも忘れない理念と挑戦心



昆 実際に放棄地を整備するのは農家の方々なんですか?

西辻 そういう場合もありますし、私たちが持ち出して整備する場合もあります。

昆 ほぉ、スタッフが出張して藪を払ったりするんですか。たとえば、どんな風に?

西辻 そうですね、1mくらいのススキが1000平方メートルぐらい生い茂っている、そして道がいるという状態の農地としましょう。最初にするのは土壌分析です。これは立命館大学に全部任せています。その間に放棄地に出向いて草を刈ります。スタッフ1人で4~5時間やります。最初は僕がやっていました。土壌分析も3日くらいすればあがってきますので、微生物もいっぱいいて、畑としてもいけますよということになれば、後は耕運をして畑として使えるようにします。さらに、映像配信を行なっている農園にカメラを設置したり、利用者のために近くのドラッグストアに交渉して駐車場を利用させてもらう交渉をしたりといった流れになります。簡単な農園であれば、2週間程度で済みますね。

昆 スタッフを「畑師」と呼ぶそうですが、利用者への指導内容は、何か一律的な対応なのですか?

西辻 基本的な部分は一緒ですけれど、やはり積み上がってくるものについては地域的な特性もあれば、先生の趣味とか資質で異なります。

昆 有機の人もいれば、慣行の人もいて……。

西辻 自然農法の人もいますね。

昆 利用者は、農園がどれくらい楽しいかっていうのに影響されるわけですよね。管理者の個性がすごく重要だと思うんですが。

西辻 そうですね、だから他の体験農園にないオリジナリティが何かというと管理人さんの資質なんですね。

昆 参加者の好き嫌いも当然ある。

西辻 ええ。半年くらいしたら引っ越す利用者の方もおられますよ。

昆 なかなか難しいと思いますが、どういった資質の方ですと畑師に向きますか?

西辻 畑師自体は就農して2~3年経てば教えられるぐらいのレベルで極端なことを教えているわけでないんですよ。ただ、多品目が作れるという技術的なことがまず大事ですね。畑を野菜の収穫場として考えている方か、無限に広がる農業の未来の場として見る方かという意識的な部分も重要です。当然コミュニケーション、伝える力も必要ですね。

昆 今、大きな誤解があると思うんですけど、よく顔の見える野菜ということでパッケージに写真を載せているものがあるじゃないですか。最近では、髭面のオヤジが出てくることが少なくなったけど、あれも農家は無条件に好かれるという前提で、流通側が考えた仕掛けだと思いますけど、それはよくも悪くも幻想です。その幻想をいい意味で裏切ってあげる、そしてお天道様の恵みの価値を伝えるということがファーミング・エンタテインメントにおける農業経営者たちの果たす役割でしょうね。

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