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【木内博一の和のマネジメントと郷の精神】
「上海・和郷園」構想
- (有)和郷、生産組合(農)和郷園 代表理事 木内博一
- 第18回 2010年03月31日
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中国の富裕層マーケット
本誌読者の会全国大会の基調講演で、高糖度トマトを皮きりに中国本土で生産事業に取り組む「上海・和郷園」構想の一端を明かした。
予想どおり、「中国で商売して大丈夫でしょうか?」「本当に富裕層マーケットはあるのでしょうか?」といった質問が返ってきた。
イメージ的には、日本と中国の商売はとても格差がありそうだが、実のところ、すでにそんなに大きな開きはない。
たとえば、製造業で、日本では500円で作れる商品は現在、中国では450円ほどで作られている。その差はほんの1割だけ。利益はほぼ同じだ。原材料の価格も変わらなければ、使っている設備もそれほど変わらない。
では日本と中国の何が違うのか。最も違うのは人件費の分配方法だ。日本の場合、500円の製品を作る中小企業の年間の人件費は、社員10人で大体の総額が5000万円。社長の取り分が800万円で、専務は600万円。課長クラスは450万円、若手社員は300万円……と若手社員と社長の差は3倍もない。それが中国の場合、450円の製品を作る企業の人件費は4500万円で、社長の取り分は3000万円だ。そして専務が300万円で、あとの社員は50万円。こうした分配だから日本よりもずっと富裕層が生まれやすい。
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木内博一 キウチヒロカズ
(有)和郷、生産組合(農)和郷園
代表理事
1967年千葉県生まれ。農業者大学校卒業後、90年に就農。96年事業会社(有)和郷を、98年生産組合(株)和郷園を設立。生産・流通事業のほか、リサイクル事業や冷凍工場、カット・パッキングセンター、直営店舗の展開をすすめる。05年海外事業部を立ち上げ、タイでマンゴー、バナナの生産開始。07年日本から香港への輸出事業スタート。現在、ターゲット国を拡大準備中。起業わずか15年でグループ売上約50億円の農系企業を築き上げた木内氏の「和のマネジメントと郷の精神」。『農業経営者』での連載で、その“事業ビジョンの本質”を初めて明かす。
木内博一の和のマネジメントと郷の精神
起業わずか15年でグループ売上約50億円の農業ビジネスを築き上げた“農業界の革命児”木内博一。攻めの一手を極める氏の経営戦略と思考プロセスを毎月、明かしていく。
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