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ちょっとちがうぜ中国で農業

農業をステータスシンボルに


デジカメより炊飯器

 人間は人と違ったモノを持っていると、どうも自慢したくなるようだ。そういったモノはステータスシンボルと呼ばれることもある。中国でそれにあたるのは車と家だ。昆明の街を歩いているとよく見かけるポルシェは、なんと280万元(約4000万円)もするらしい。車の所有者は、「そんなに高い車に乗ることができる自分は“スゴイだろ”」と言いたいのだろう。

 また、タバコもステータスシンボルのひとつになっている。「中華」という銘柄は1箱60元(約1000円)もする。何人かで食事をする際にこのタバコを持っている人がいると、同席している人に配られることがある。「スゴイだろ」のデモンストレーションというわけだ。

 ところが最近、そういったステータスシンボルに対する中国の富裕層の見方が大きく変わってきているようだ。

 たとえば、中国人が日本に行くときには、ほんとんどの人が秋葉原に行き、様ざまな物を購入する。昨年まで最もよく購入されたのはデジタルカメラだ。これもステータスシンボルのひとつになっている。しかし、今年の春節の休みの際に最も多く購入された商品は炊飯器だったそうだ。日本で食べた美味しいご飯を中国に帰った後も自宅で食べたいというのだ。「スゴイだろ」と人に自慢したいのではなく、自分の生活を豊かにしたいという想いが生まれてきている。

 そういった変化は私自身も実感している。日本の粉ミルクをコンテナで買いたいが手に入れることはできないかと相談されることも珍しくないのだ。彼らは有機野菜に興味を持ち、以前にも増して健康に関心を持つようになってきている。

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