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ちょっとちがうぜ中国で農業

農業をステータスシンボルに



 価値観にこれだけの大きな変化が見られるのには、中国の経済が日本を追い越してもなお10%の成長を遂げている現実が影響しているのかもしれない。


日本も農業も、スゴイだろ!

 日本を見ても価値観の変化は感じられる。千葉県にある第3セクター・いずみ鉄道で、総訓練費約700万円の自己負担を条件に鉄道の運転手になりたい人を募集したところ20人もの応募があったという。それで運転手の資格を取ったとしても月収は10万円を少し超える程度だ。割に合わない金額だが、応募者にとって損得は問題ではない。電車を運転したいという欲望を満足させる方が大切なのだ。運転士になれることは、つまりは自分にとっての「スゴイ」を手に入れることなのだ。

 これは中国で見られるのとは、また違った価値観だ。日本人は趣味の中で生活をしようとしているに違いない。アダルトビデオの雄が10億円を元手にして農業を始めたのも、それ相応の何かしらの価値を感じたからだと思うが、私自身は「自分はスゴイ」と人に自慢したい気持ちが行動の原点にあるのは重要なことだと考えている。特に日本の場合は。何しろ、日本自体がスゴイのだから。

 私が自慢するなら農業だが、今年に入ってから気になる動きがあった。キリンがアグリバイオ事業を行なっている子会社を、オランダのファンドに売却をしたのだ。同社のアグリバイオ事業はキクの種苗のシェアでは図抜けていた。売却したのは、より効率のよい経営を考えた場合、農業は不採算部門だったからだ。

 しかしこれにはもの申したい。キリンよ、農業に未来や希望がないと考えるのは全くの見当違いだ。これからの農業はスゴイことになるのだから。その可能性を示すためにも、700万円払っても農業の訓練をしたいという人が集まるような企画を、誰か考えてくれないものだろうか。

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