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【今年の市場相場を読む】
春以降に売り込みたい野菜類、ソラマメ、セルリー、ニガウリ、ニラ
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第166回 2010年03月31日
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【今後の対応】
ゴーヤーの調理といえば、家庭でも外食でも圧倒的にゴーヤーチャンプルである。作り方も難しくないため、外食メニューを家庭で再現するケースも多いとされる。これだけ周年にわたって入荷しているのだから、相場を見ながら売り込めるタイミングがいつでもあるはずだ。関東、東北でも生産は可能であり、直売所に出しても普通に売れていくのだから、果菜類の産地などは大いにチャレンジしてほしいもの。供給が需要を創る、典型的な品目だ。
ニラ 不況時の財布にやさしい存在。増勢続け定番野菜の仲間入りを
【概況】
東京市場のニラは、05年対09年で数量が14%増でありながら、単価はわずか5%安くなっただけであり、増勢といっていい。春にややピークらしきものがあるが、年間を通じてコンスタントに入荷しており、主産地の栃木、茨城は周年供給体制にある。夏場に供給してくる山形、福島などの季節産地はむしろ珍しいケース。長崎や宮崎からの入荷は夏場に減るが、高温期に軟弱物の遠距離輸送を控えているだけで、生産そのものは年間ある。
【背景】
このところの内食回帰現象で、単価が安く安定している野菜に人気が集まっていることと、ニラが増勢傾向にあることは無関係でない。入荷が増えても単価が堅調推移しているのだから、どこの産地も生産意欲は強い。一時、使用法の簡便さからミズナが増勢だったが、いまはそれに代わるようにニラに勢いがある。同じ金を出すならしっかりとしたおかずになるニラを、という選択がされている。
【今後の対応】
ニラは扱いが簡単で、炒め物でも鍋物でも調理が簡便で栄養満点、というイメージが定着している。一束単価も通常で100円を切るために手を出しやすい。鍋シーズンは終わっているが、これから高温期に向けてはスタミナ野菜として継続的に売り込める品目である。出荷側にとっては相場の上げ下げは心配のタネだろうが、潜在需要が確実にある品目だけに、この不況時の定番野菜として供給を継続することが肝要である。
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小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
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