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【農業経営者のための農水・JAウオッチング】
農業経済課の新設を模索する農水省
- 土門剛
- 第3回 1994年12月01日
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今年八月にまとまった農政審議会報告「新たな国際環境に対応した農政の展開方向」や食糧管理法に代わる「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(新食糧法)など日本農政が急激な変化を見せようとするなか、農水省が水面化で。農政新時代に備えた機構改革を模索している。
連立与党が掲げる政策の目玉の一つである行政改革の影響も受け、最大の焦点は約一万一〇〇〇人の職員を抱える食糧事務所の改編といえるが、同省内には「部局を含めた見直しも必要」(農水省幹部)との声が強まっている。現在、農家経営を所管とする農業経済課(仮称)などの新設が浮上しているが、農政改革を円滑に進めるためにも、同省がどこまで思い切った機構改革を打ち出すかがカギとなっている。
機構改革問題は農政審報告が「農協・農業委員会など農業関係団体」と並び、「行政組織の業務運営、組織のあり方について検討することが適当」と明記したのを受け、報告直後から同省は官房文書課、食糧庁を中心に見直し作業に着手している。
大河原農相もこれまで「機構改革はやらなければならない」と並々ならぬ決意を何度となく披れきしている。さらに農相は一〇月一五日の記者会見で、「組織・定員の問題の答を出さなくてはいけない。食管関係は今度の通常国会には用意したい」と語り、食糧事務所の現行体制見直しに伴う農産物検査法の改正などを準備中であることを明らかにしている。
だが、ここへ来て「食糧事務所の体制縮小など、大規模な改革は困難」との見方も出てきた。その理由は、ある農水省筋によると(1)行革の先行きが不透明になっている(2)新食糧法の全容がまだ固まっていない(3)食糧管理法改正問題で、社会党がコメの安全性の確立を強く主張した、などだ。
連立与党が掲げる政策の目玉の一つである行政改革の影響も受け、最大の焦点は約一万一〇〇〇人の職員を抱える食糧事務所の改編といえるが、同省内には「部局を含めた見直しも必要」(農水省幹部)との声が強まっている。現在、農家経営を所管とする農業経済課(仮称)などの新設が浮上しているが、農政改革を円滑に進めるためにも、同省がどこまで思い切った機構改革を打ち出すかがカギとなっている。
機構改革問題は農政審報告が「農協・農業委員会など農業関係団体」と並び、「行政組織の業務運営、組織のあり方について検討することが適当」と明記したのを受け、報告直後から同省は官房文書課、食糧庁を中心に見直し作業に着手している。
大河原農相もこれまで「機構改革はやらなければならない」と並々ならぬ決意を何度となく披れきしている。さらに農相は一〇月一五日の記者会見で、「組織・定員の問題の答を出さなくてはいけない。食管関係は今度の通常国会には用意したい」と語り、食糧事務所の現行体制見直しに伴う農産物検査法の改正などを準備中であることを明らかにしている。
だが、ここへ来て「食糧事務所の体制縮小など、大規模な改革は困難」との見方も出てきた。その理由は、ある農水省筋によると(1)行革の先行きが不透明になっている(2)新食糧法の全容がまだ固まっていない(3)食糧管理法改正問題で、社会党がコメの安全性の確立を強く主張した、などだ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
農業経営者のための農水・JAウオッチング
時の政治状況を意識した行政、農業団体の公式見解と彼らの本音。建て前の言葉に振り回されない農業経営者のための農政展望として、一般紙経済部記者にメディアにのらない霞が関(農水省)大手町(JA)の陰の声を報告してもらう。
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