記事閲覧
近年、雇用に力を入れている。
3年ほど前から、会社が発展していく一方で、このまま規模拡大しても“どうにもならない”と懸念していた。仕事があっても人材が不足していては、やりようがない。そうして、一昨年HPをリニューアルし、設けた求人ページからの問合せが約100件。県外からの応募が多く、新卒を中心に採用している。試験は筆記と学科、面接を行ない、農業についての論文も書いてもらう。単なる労働者として扱うのではなく、プロパーを育てるためだ。当然、周年雇用する。企業として発展するためには絶対に避けて通れない道だ。
農業ブームのおかげか、人材を選べるようになった。優秀な人間が農業をしたいと言う。かつては、選択肢のないまま農業を選ばざるを得ない人たちを雇用する状況にいた。農業を選んで応募してくる人とではモチベーションがまるで違う。意識の高い人たちを雇用できることはチャンスでもあり、彼らを農業の世界に受け入れることで、農業の発展に寄与できればと思う。
応募者にはお互いのことを理解するために、1日作業体験もしてもらう。畑で手足の動きを見ればその人の考え方は一目瞭然だ。採用後、お互いに「失敗した」とならないためでもある。本人が、口で言うことと体でやることが違えば、そこで自ずと判断がつく。
農業工程管理システム部門の担当者として、今年、はじめてSE(システムエンジニア)も採用した。農業をノウハウ化することがビジネスになるということを、ひとつの形にするためだ。農家がシステムをつくって売るというのはこれまでになく、驚かれることがある。だが現実を見てほしい。大企業が農業に参入しても、みな撤退していく。高学歴で資本もふんだんにある人間が失敗に終わっているのだ。農業がいかに困難であるかを象徴する事態といえる。ノウハウを構築すれば大企業に勝つことができる。システムはノウハウの塊だ。システム化によってノウハウを具現化できたわけだ。
会員の方はここからログイン

坂上隆 サカウエタカシ
農業生産法人 株式会社さかうえ
社長
1968年鹿児島県生まれ。24歳で就農。コンビニおでん用ダイコンの契約栽培拡大を通して、98年から生産工程・投資・予算管理の「見える化」に着手。これを進化させたIT活用による工程管理システム開発に数千万円単位で投資し続けている。現在、150haの作付面積で、青汁用ケール、ポテトチップ用ジャガイモ、焼酎用サツマイモなどを生産、提携メーカーへ全量出荷する。「契約数量・品質・納期は完全100%遵守」がポリシー。03年、500馬力のコーンハーベスタ購入に自己資金3000万円を投下し、トウモロコシ事業に参入。コーンサイレージ製造販売とデントコーン受託生産管理を組み合わせた畜産ソリューションを日本で初めて事業化。売上高2億7000万円。08年から食品加工事業に進出。剣道7段。
坂上隆の幸せを見える化する農業ビジネス
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)
