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今年の市場相場を読む

今年の初夏に力を入れたい商材、ミニトマト、トウモロコシ、メロン類、小玉スイカ

この春先は低温と日照不足で多くの野菜類の生育が遅れ、価格が高騰した。また、定植直後や発芽直後の野菜類が、低温や晩霜で壊滅し、播き直しを余儀なくされたものも多い。本当の影響は6月以降に出てくるだろうが、6~7月には消費者の購買意欲が戻ってくることも予想されており、流通・販売業界は大いに期待している。品目的には初夏にピークを迎える青果物、とりわけ食味がアピールできる商材だ。春先の天候異変で品薄になり、価格が高騰してしまうと、産地や卸売会社はよくても、スーパーなどに納める仲卸業者は、数量調達や価格調整に苦慮する。小売店の販売意欲とできるだけ連携したい。

ミニトマト 大玉漸減に対しミニは増勢。食味を訴求し初夏の目玉商材に

【概況】

東京市場のミニトマトは、近年明らかな漸増傾向にあり、04年対09年では入荷数量が2割以上増えながら単価は5%安にとどまっている。トマト類全体の中でのミニトマトの割合も、同時期対比で12%から15%に増えた。年間を通じてコンスタントに入荷しているが、冬から春先までやや低調になり、5~6月がピークとなる。入荷が多くて値頃になるため、初夏の重点商材として定着しつつある。

【背景】

ミニトマトが増えている一方で、通常のトマトはこの間1割減った。トマト全体の入荷量は差し引き5%程度減った勘定だ。ただしミニトマトの7割くらいは高単価商品だから、トマト全体の売上は横ばいといったところ。ミニの単価高はフルーツ系など高糖度系の増加という要因もある。また、トマトは小売店にとっての重点アイテムだから、産地との直接取引の割合も他品目より多い。総合すると、トマトという商材は勢いが衰えていないと見られる。

【今後の対応】

食味をアピールできる野菜類として、冬場の焼きイモに代わって、初夏はミニトマトなど甘さが際立つ商材への引きが強まる。試食させれば即、販促効果が現れる品目だけに、小売店でも期待が大きい。数量的には愛知、熊本産頼みだが、関東産のピークにもあたり、春先の天候の影響が出ない限り大いに売り込みたい年である。消費者の購買“ぐせ”をつけるために、入荷が重なって安値になっても構わず出荷を継続すべき年回りである。

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