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【今年の市場相場を読む】
今年の初夏に力を入れたい商材、ミニトマト、トウモロコシ、メロン類、小玉スイカ
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第167回 2010年04月28日
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【今後の対応】
いま、全国区レベルでのメロンのブランドがほとんどないため、メロンは衰退品目だと思われているかもしれない。しかしその一方で、ローカルでは非常に高く評価され、支持されているものも少なくない。島根のアムスや北海道のキングメルティ系、秋田では県産メロンのお盆の贈答需要がものすごい。メロンのマーケティングは、まず地元需要を盛り上げることから始めるのがいい。そんなローカルでのブランドメロンの動きに、今年は注目したい。
小玉スイカ 6月の商材として定着。食味も優しく初夏の潤いに最適
【概況】
東京市場の小玉スイカは、5月から急増して6月がピーク、7月でほぼ終わる。大玉よりちょうど1ヵ月前進化していることになるが、大玉が漸減傾向にあるのとは対照的に、小玉の生産・出荷量は非常に安定している。産地別に見ると茨城が4割で、群馬が2割、それに千葉が続く。スイカ全体の15%程度のシェアだが、大玉が減りつつあるため、小玉のウエイトは相対的に高まっていることになる。
【背景】
季節性の高い小玉スイカは、その年間入荷数量でアールスメロンと肩を並べている。つまり品種的にみると6月に入荷する代表的な果物品目ということになる。メロンほどバラツキがなく、扱いやすくてしかも安いということになれば、消費者もつい手を伸ばすし、食味も優しくて初夏にはちょうどいい。スイカの代替品というのではなく、明らかにひとつの果物品目として定着した。小売店にとっても、扱いやすい季節商材として力を入れたい品目だ。
【今後の対応】
6月をメドに出荷を予定している関東産地にとって、春先の低温はこたえるかもしれない。通常であれば5月から6月にかけては急激に単価がこなれ、店頭販売に適する値頃になるはずだが、今年は微妙。場合によっては、ハーフカット形態での販売になるかもしれない。一方では作型がズレて集中する事態もあり得る。その場合は、2個入りのネット販売で量販することも考えたい。せっかく根付いた重点品目の地位を守りたいものだ。
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小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
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