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編集長インタビュー

開き直って分かった。できることがある!まだやっていないことがある!



羽廣 不健全な関係ですよね。農家と農機メーカーだけでなく、農家と食品メーカーも同じだと思いますが、お互いに顔を知らないというのは。互いのニーズを聞けてないわけですし、ニーズを聞くとなると半分クレームになるから嫌がっているのかもしれないけど、そこを聞いていくことが肝心だと思うのですが。

昆 おっしゃる通りです。だから、えんのうブラザースで大手農機メーカーが手を出せない、もっと言うと嫌がるようなことをどんどんおやりになればいいんです。我が読者も必ず応援しますよ(笑)。

降ってくる仕事に甘んじていた下請工場は農家と同じだった

昆 シタゾコの理念として地域活性化を掲げられていますね。

登内 実はシタゾコには2つの目的がありまして、ひとつはメンバーが自分の力で立ち上がること。そしてもうひとつが地域に新しいビジネスを作り上げることです。私自身はまずはメンバーが下請けという立場から脱却して自分の足で歩むことが一番大事だと思っているんです。というのも、彼らは後継者という立場ですから自ら起業したわけではなく、数字に疎い部分がある。多少儲けが少なくても仕事は定期的にもらえている時代を経験しているので、危機感が薄いんですね。でも、経済がこのような状態になったことで、自動車も建設もダメと、いわば天地がひっくり返っている状態なので、これまでの立場をゼロに戻して、いわば一商人に戻って仕事をするようになっていかねばならないと思うわけです。

昆 メシを食う人間になるということですね。農家から農業経営者になった方も同じことを言いますよ。

登内 そうなんですね。シタゾコに集まったメンバーが本当のリーダーになっておのおのが経営している会社、そして地域を引っ張っていくのが理想なんです。その意味で、会社でもあるんですが、半分は学校みたいなものだと思っています。

昆 自らが立ち上がることに意義があり、同時に理念、夢が生まれてきますよね。私自身の経験でもそうですが、前の会社を辞めてフリーランスで仕事をした。そして出版社を作ったり、この雑誌を作ったりした。たしかになかなか食っていくのに苦労したけど、夢があったし、パワーもあった。

登内 私はこの仲間に出会えて感謝しているんです。というのも、私自身も10年間、会社を経営してきて、理念が大事だと言いながらも実際には自分の実入りだけを考えながら仕事をしてきたのじゃないかと。でも、仲間がそれこそ自殺さえ考えた状況に追い込まれるようになって、お金儲けを度外視して何ができるかということを開き直って初めて考えさせてくれたわけですから。そうして得られた、感じられた何かが今までとは全然違っていたんですね。

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