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高橋がなりのアグリの猫

“農家の台所”10店舗出店計画に隠された急がば回れ計画


 最近、土いじりへの意欲が全く湧かない就農希望者の高橋がなりです。理由は明白で、楽しくない分野の農業にかかりっきりだからです。僕にとって楽しい分野の農業とは、自分が苦労・工夫をして創り上げた“作品”でお客様を喜ばせる“ものづくり”のことで、流通・宣伝・販売といった分野の農業は、自分の作品ならまだ我慢できますが、人様の作品となると主役になれない役者のような仕事になってしまいます。

 ならばなおさら、休みの日ぐらい土いじりをすれば良いと思われるでしょうが、不思議にできないんです。畑に触れ合ってしまうと、楽しくない分野の農業を頭の中で考え始めてしまうからです。ジャガイモの土寄せをしていると「商品部に指示した新種のジャガイモの仕入先は見つかったんだろうか?」大根を収穫していると「4店舗ある農家の台所のサラダバーで指示通りに飾り付けされて『大根の種を食べたことはありますか?』から始まる語りはできているのだろうか?」などと管理職の自分が出てきてしまいます。

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