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幻の照葉樹林
照葉樹林文化のルーツが失われてしまった。これまではそう思ってきた。雲南省・昆明のことである。この地は、植物学者の中尾佐助が提唱した照葉樹林文化の本拠地といわれており、初めて訪れた時はここが日本のルーツなのかと感慨深い思いを抱いていた。しかし、目に映ったのは乱伐によって緑が失われ山肌をさらしている山々だったのだ。
ところが、今になってその考えを改める出来事に出くわした。最近参加した少数民族の祭りや彼らの生活の中に、ルーツの一端を垣間見ることができたからだ。
雲南省には26の小数民族がいる。省の人口約4400万人のうち約1400万人が小数民族である。祭りは民族ごとに行なわれており、それぞれに特色がある。その中でもタイ族の水かけ祭り、イ族の火祭り、ワ族の泥塗り祭りは有名だ。
実際に参加したイ族の火祭りでは、参加者が夕方からキャンプファイアーを囲み、乾いた木で作られた2mほどある松明を持って歩き回り、走り回る。広場では水牛による闘牛も行なわれていた。夜通し続く祭りは少数民族が持つエネルギーを感じさせたが、何より大きな発見だったのは、この祭りが松明をかざして水田を歩く日本の虫送りの行事とよく似ていたことだ。
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土下信人 ツチシタノブヒト
1949年愛知県生まれ。95年、沖縄で(有)土下を設立。組織培養技術を活用した苗生産・販売を中心とした農業のコンサルタント業務を開始。上海で組織培養施設への指導を行ない、2003年同地で組織培養会社、上海百奥微繁植物有限公司を設立。HP『大きな国で』を開設。
ちょっとちがうぜ中国で農業
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