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【今年の市場相場を読む】
加工・業務用対応が進んでいる野菜、キャベツ、レタス、ネギ、ニンジン
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第168回 2010年05月31日
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キャベツ 業務需要の活性化で増産傾向。加工に特化した大玉生産を
【概況】
東京市場のキャベツは、基幹品目であることから経年経過を見ても比較的安定した入荷となっている。ただ、09年は前年比で7%もの入荷増となり、しかも単価が6%高くなった。東京市場における主要産地は群馬、愛知、千葉、神奈川だが、関東から東北・北海道にかけて出荷してくる産地が多く、すべてが露地栽培であるために天候の影響を受けやすい。そのため入荷の増減は珍しくないが、市場関係者の見方は違う。
【背景】
主要産地だけでなく、その他の産地においても増産意欲が強いと市場関係者は見ている。その背景には、各産地とも加工・業務用への対応や、契約取引を増やしていることがある。実は08年に5800t程度だったキャベツの輸入は、09年に1万3000tと倍増した。これは加工・業務用の需要が活性化していることを意味する。国内産地の契約取引も増えているため、全体的な生産増でこれらの需要に対応しようとしている。
【今後の対応】
今年の春にキャベツが久しぶりに暴騰したことも、この傾向と無関係ではない。産地が契約部分を優先したため、市場出荷品が極端に減ったのである。かつては年間5万t以上あった輸入も、ようやく1万t程度に減っている。国内産地としては、加工用に特化した大玉生産を別枠で確保していく方向性が望ましい。一般流通品で数量調整をするという無難なやり方をしていると、需要者が輸入品に逃げていく余地を作ってしまう。
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小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
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