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接触型線虫防除剤 ネマキック粒剤
かつて線虫対策に使う土壌消毒剤は、線虫だけでなく他の土壌病害菌や雑草防除にも効くものが、巷では「いい薬」と呼ばれていた。つまるところ、総合土壌くん蒸剤と呼ばれるものだ。ところが臭化メチルがオゾン層破壊物質として使用が制限されるなど、これまで「いい薬」とされていた薬剤のなかに、使えなくなるものが多くなってきた。「いい薬」が本当に良かったかどうかはともかく、新しい農薬のスペクトルは、全般的に狭くなる傾向にある。
この流れで農薬メーカー各社がラインアップを充実させているのが粒剤、つまり接触型線虫防除剤である。粒剤の場合、散布して混和するだけであり、くん蒸剤のように被覆したりガス抜きしたりという作業の手間がない。使い勝手のよさもあり、くん蒸剤のような刺激臭も少ないため、最近では使用量が増加している。
アグロカネショウ株式会社は、これまでバスアミド微粒剤やDD剤など、くん蒸剤のみをラインアップしていたが、今年1月にネマキック粒剤という、独自に開発した粒剤を発売した。本剤に1.5%含有される有機リン系の化合物イミシアホスは、適切な濃度で土壌中に混和されると、線虫の運動能力を鈍らせて、植物の根に侵入するのを阻害する。つまり線虫は植物へと移動できず、また根に侵入することもできない。このため長期間栄養を摂取できず、体内のエネルギーを消耗して死に至ると考えられる。卵に対しては、ふ化を抑制する作用がある。
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