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その追い風となったのは06年に議員立法として成立した有機農業推進法だった。
「10数年前まで有機というと、それだけで色眼鏡で見られがちで、地元の農家とのつきあいも難しかったし、行政もノータッチでした。でもここで続けているうちに地元の農家にも理解が生まれてきて、さらに法律ができたことで役場も支援事業をしてくれるようになりました。いろいろな立場の人々と協調することは大変ですが、それによって初めて実現することもあります」
時には信念のぶつかり合いもあるかもしれない。それでも一番大事なのは、その先にある共通の目標に向かって、歩を進めることだと田下は考えている。新規で農業を始めたい人を育て、おいしいものをつくる技術を伝えるだけでなく、つくる喜びを感じられ、しかも、それを売って自立した営農ができるようにする。お金にならない有機農業から、お金も稼げる有機農業にするために、これからも田下の奮闘はつづく。
(本文中敬称略)
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田下隆一 タシタリュウイチ
株式会社風の丘ファーム
代表取締役社長
1960年、東京生まれ。50歳。高校卒業後、北海道へ渡り酪農家で研修に入るが、資金不足から就農をあきらめ東京に戻る。1年半のサラリーマン生活を経て、埼玉県小川町の有機農家で研修生活に入り、1984年、24歳のときに小川町で独立。2008年、株式会社「風の丘ファーム」を設立。無農薬・有機栽培の野菜を全国50軒のレストランや一般家庭に出荷。加工品の販売や農業体験イベントも行い、有機農業による農業経営を担う後継者の育成に力を入れている。従業員9名。http://homepage3.nifty.com/tashita-farm/
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