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海外レポート

ヒール宮井の2010 Conservation Tillage Conference Presentations 参加録 前編

今年の1月末、米国に上陸したヒール宮井でおなじみの宮井能雅氏。tillage=鋤込むという冠がついたこの会議は、いうなれば米国版“土を考える会”といったところ。参加した氏は何を見てきたか。今号および次号にわたって掲載する。取材・文・撮影/宮井能雅

4度目の勉強会で気付いた 私の場合は全面耕起は不要

 1月28日、29日の2日間、2010 Conservation Tillage Conference Presentationsに参加して、米国中西部のハイテク農業の基礎を作り上げた生産者の意見を拝聴することになった。この会議はミネソタ大学と州の普及所主催による農業に関する勉強会で、毎年1月最後の週の水曜日と木曜日に行なわれる。約200名の生産者がミネソタ州南西部のインディアン居留地にあるホテルに集合して、バイオ農業のみならず、農業機械を含めた経営全体を勉強する。

 この勉強会の参加は4回目。1年ごとにケンタッキー・ファームショウと交互に訪れることになり、本年は知り合いであるノースダコタ州の30歳新婚1年目のブレインと北海道大空町の生産者の3名で学んだ。朝晩マイナス30℃、日中でもマイナス25℃と樺太並みの厳寒の地で学べたことは、将来の北海道農業を見つめるためにも有意義であった。

 ホテルの4つの会議場を使い、大きく分けて、土壌、堆肥、肥料、微量要素、畑の耕起の仕方、農薬の使用方法など12のテーマで各自、自由に参加できる。

 4回目ということもあり、大体の方向性が見えてくるので、より面白いテーマを探すことになるが、今回は技術的なことよりもそれぞれの農業、農法の違いを多く学ぶことになった。肥料は全層にやるべきかそれとも種子のそばにやるべきかの話があったが、土地が肥沃になれば全層散布してもその効果に問題なさそうだ。また、耕起の仕方で地温が変わった結果、収量にどのように影響を及ぼすのか、つまりチゼルプラウで全面を耕すのと、部分的に耕すストリップティルや完全に起こさないノーティルではどう違うのかということも話題になった。

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