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海外レポート

豪州ビクトリア州農業視察レポート(2) ファームワールド2010

ファームワールド2010の特別企画は、「農業とIT~その農場経営における役割の重要性~」。IT関連の特設展が設けられ、30社が出展した。その中から副編集長が注目した11商品をレポートする。
 欧米の農業IT利用は、一貫して“農場マネジメント向上”を目的に発展してきた。今回のファームワールドでみた商品群のコンセプトも同じだ。経営資源である農場、人材、機資材をどう活かすか? 事業目的の達成のために、いかに計画的、継続的に農場オペレーションを遂行するか? 目標利益はいかに達成できるか? ITとその関連商品はすべて、経営者の意思決定と働く人の活動を支援し、最終的には、農場の付加価値向上を目指すものだ。

 翻って、日本農業のIT活用は、PCを使った帳簿入力用の経理ソフトから普及し、農薬の使用履歴を記録するトレーサビリティの仕組みとして発展してきた。栽培管理システムに特化して開発されたものも多い。いずれにせよ、農場のトータルな活動が分断された商品構成になってきた。ここ数年、ようやくマネジメントの重要性が高まり、海外商品が導入され、それに引けをとらない独自商品も出始めている。

 今回のIT展示で印象深かったのは、ハイテク企業を差し置いて、圃場の測量やマッピングの会社の参加が多かったこと。農業にとっていちばんの経営資源である農地の正確な把握から、農場マネジメントははじまる。基本に忠実だ。

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