ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

読み切り

「新食糧法」をどう読むか
米産地の淘汰選別促す新食糧法

旧「食管法」に代わって登場した「食糧需給価格安定法」(略称・新食糧法)に対するマスコミの採点はちょっぴり辛かった。当初、マスコミが期待を抱いていた改革の中身とはほど遠い内容になったからだろう。例えば、集荷に新たな参入条件が付け加えられたことは採点が厳しくなった大きな理由のようである。我われの関心事はマスコミがどう評価するかではない。ここでは今後の事業の展開を考えるために、農業経営者は新食糧法をどう読むべきかを、農業ジャーナリスト土門剛氏に解説願った。
新食糧法六つのポイント


 まず、新食糧法が旧食管法と違う点を整理したのが以下のとおりである。六つのポイントを簡単に説明しておこう。

 ポイント1:計画流通米制度
 旧食管法で政府米と自主流通米を合わせた「政府管理米」を「計画流通米」と呼び変え、従来ヤミ米と称された「不正規流通米」は「計画外流通米」として制度の中に取り込まれた。

 ポイント2:生産者
 旧食管法では、生産者には政府への売り渡し義務が課せられ、販売は集荷業者である農協などに委託することが原則だった。新食糧法では、その売り渡し義務が撤廃され、生産者は集荷業者へ販売を委託する以外にも、小売りや卸業者、消費者などへ直接販売することが可能になった。

 ポイント3:出荷取扱業者
 旧食管法の集荷業者は、新食糧法で出荷業者に名称変更され、農水大臣の指定制から農水大臣への登録制になった。参入障壁となる減反協力要件が新たに付け加えられた。

 ポイント4:自主流通法人
 旧食管法の指定法人は、新食糧法で自主流通法人に名称変更した。新たに備蓄義務を負わせた。

 ポイント5:卸・小売り
 卸・小売りとも都道府県知事の許可制から登録制になった。卸・小売りとも登録要件が緩和され新規参入が容易になった。また小売りの卸からの買い受け登録の要件は撤廃された。

 ポイント6:入札制度
 財団法人自主流通米価格形成機構は、農水大臣が指定する自主流通米価格形成センターに名称変更。同センターが米の入札を実施することについて法律で明記した。

 以上の六つのポイントをふまえ、新食糧法をどう読むべきかを考えてみたい。

関連記事

powered by weblio