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販売ルートがどのように複線化されたか、次のフロー・チャートを見ていただきたい。
まず農家。従来の販売ルートでは、経済連に販売を委託するか、あるいは特別栽培米制度のルートで消費者に直接販売するか、この二つのルートしかなかった。今回の流通改革ではこれに加えて自主流通法人(全農あるいは全集連)以外ならどこにでも自由に売れるようになった。経済連へは計画流通米のルート、卸や小売りへは計画外流通米の販売ルートとなる。
農家に卸や小売りへ直接販売が認められたことの意義は大きい。はじめのうち、農家は代金回収でリスクの少ない消費者への直接販売を目指し、次いで一括販売できる卸や小売りへの直販体制に切り替えそうだ。とくに規模の大きい農家と農協との間で激しい競合が予想される。
その農協も、従来の経済連に販売を委託するルートから、計画流通米であれば、経済連を飛び越えて全農、卸、小売りへとどこにでも米を売れるようになった。規模の大きい農協は、そのスケールメリッ卜を活かして卸や小売りへの直販を目指すことが予想され、経済連との間で軋慄が生じそうだ。また消費者への直接販売も、計画外流通米のルートで可能になった。
経済連にも販売ルートの拡大が認められた。従来の全農への販売委託と卸への直販ルートに加えて小売りにも直販ルートが開かれたのだ。これまでにも全農を飛び越えた卸への直販ルートは開かれていた。が、このルートを利用した経済連はほとんどなかった。経済連が全農との関係悪化を恐れたのだ。大半の経済連は従来通り全農頼りになりそうだ。
販売ルート複線化は二つのインパクトを与えそうだ。一つは、農家と農協、農協間、あるいは農協、経済連、全農との間、それぞれのレベルで販売競争が激しくなることだ。もう一つは、そうした販売競争の激化を通じて農協の淘汰選別が行われ、農協組織のスリム化につながっていく可能性が出てきたことだ。
まず農家。従来の販売ルートでは、経済連に販売を委託するか、あるいは特別栽培米制度のルートで消費者に直接販売するか、この二つのルートしかなかった。今回の流通改革ではこれに加えて自主流通法人(全農あるいは全集連)以外ならどこにでも自由に売れるようになった。経済連へは計画流通米のルート、卸や小売りへは計画外流通米の販売ルートとなる。
農家に卸や小売りへ直接販売が認められたことの意義は大きい。はじめのうち、農家は代金回収でリスクの少ない消費者への直接販売を目指し、次いで一括販売できる卸や小売りへの直販体制に切り替えそうだ。とくに規模の大きい農家と農協との間で激しい競合が予想される。
その農協も、従来の経済連に販売を委託するルートから、計画流通米であれば、経済連を飛び越えて全農、卸、小売りへとどこにでも米を売れるようになった。規模の大きい農協は、そのスケールメリッ卜を活かして卸や小売りへの直販を目指すことが予想され、経済連との間で軋慄が生じそうだ。また消費者への直接販売も、計画外流通米のルートで可能になった。
経済連にも販売ルートの拡大が認められた。従来の全農への販売委託と卸への直販ルートに加えて小売りにも直販ルートが開かれたのだ。これまでにも全農を飛び越えた卸への直販ルートは開かれていた。が、このルートを利用した経済連はほとんどなかった。経済連が全農との関係悪化を恐れたのだ。大半の経済連は従来通り全農頼りになりそうだ。
販売ルート複線化は二つのインパクトを与えそうだ。一つは、農家と農協、農協間、あるいは農協、経済連、全農との間、それぞれのレベルで販売競争が激しくなることだ。もう一つは、そうした販売競争の激化を通じて農協の淘汰選別が行われ、農協組織のスリム化につながっていく可能性が出てきたことだ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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