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近くて遠い国
凄まじい中国の発展の勢いを見て、日本の農業経営者も中国に関心を示すようになってきているようだ。たしかに、日本のGDPを抜き世界第2位の経済大国に躍り出た中国は、13億人のパワーに満ち溢れ、あらゆる分野で今なお成長を続けている。共産党一党支配の“資本主義”も世界で最も効率のいい成長システムとして機能している。お国がそこどけといえば人民は「ハイ」と答えるしかなく、いたるところで立ち退き、破壊、建設が進められている。そんな状況だからこそ日本人にもチャンスがあると思えるのだろう。
しかし、漢字を使い、コメを食べ、人の顔つきも似ているからといって、文化と価値観まで日本と同じと思ったら大間違いだ。単純に日本のビジネスモデルを持ち込んでも成功しない。ビジネスに“信用”が必要だという日本的な発想だけで取り組んでも丸裸にされるだけだ。
前号でヒール宮井さんが、日本では「我を通す」と「信念を通す」では、人がついてくるかどうかで意味が違うようだと書かれていた。それを中国に置き換えると、信念があってもお金がなければ誰もついてこないし、我を通してもお金があれば後ろに人が群がる、ということになるだろう。何しろ拝金主義がすべての原理となっているのだから。
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土下信人 ツチシタノブヒト
1949年愛知県生まれ。95年、沖縄で(有)土下を設立。組織培養技術を活用した苗生産・販売を中心とした農業のコンサルタント業務を開始。上海で組織培養施設への指導を行ない、2003年同地で組織培養会社、上海百奥微繁植物有限公司を設立。HP『大きな国で』を開設。
ちょっとちがうぜ中国で農業
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