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【土門「辛」聞】
口蹄疫で「特例認めろ」と山田大臣に、東国原県知事が舌攻撃
- 土門剛
- 第73回 2010年07月30日
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山田大臣VS東国原知事、どっちが正しいの?
宮崎・口蹄疫問題。最後まで殺処分に抵抗していた種牛農家が、農水省の説得にようやく応じて終息に向けて動き始めたようだ。その殺処分問題をめぐり山田正彦農水大臣と東国原英夫知事が対立した。種牛農家の意向を汲んで殺処分の回避を陳情する東国原知事に、山田大臣が翻意を促すという図式だった。
双方の言い分を整理してみよう。山田大臣が、東国原知事を7月13日に農水省に呼んで、殺処分するよう最後通告を申し渡そうとした。その時のことについて、山田大臣は、16日の記者会見でこう説明している。
「まあ、東国原知事が記者会見で話されたと思うけれど、私も驚いたのですが、リングワクチン接種した、その範囲内の地域で残された6頭については、前々から、私がまだ宮崎にいる頃から問題になっていて、なかなか薦田さんも、そう簡単にやっていただけないだろうというお話がありましたので、いわゆる特措法を、作っていただいたようないきさつもあったわけです。で、知事さんも、そのことは良くご承知で、何とか、しっかりそこをやらないと、国際獣疫事務局(以下、OIE)、リングワクチンの接種区域内だから、なかなか清浄国として認めてもらえない、そういうこともあるし、ちゃんとやって欲しいと、重ね重ね申し上げてきたことなのですが、今日、知事さんにも言ったのですけれど、本当に、現場というか、殺処分の現場は、家族同様にきた繁殖牛等々、そのまま殺処分せざるを得ない、そういう非常に悲惨な、大きな犠牲を払ってきたので、そういう特別な例外を、単にかわいそうだからということで認めるわけにはいかない。また、より強い、伝搬力の強い、本当に空気感染するような口蹄疫が近々に起きてこないとも限らない。そうした時に、本当にリングワクチンをもう一回打たなくてはいけないような事態が生じた時、『じゃあ、私はワクチンを打たない』、『救済してもらう』、『PCRの検査をして陰性だったら、それでいいのだ』ということが出てきたら、まさにそういう意味で、危機管理、国の国家的な危機管理なのですから、今回の場合、それができなくなってしまう。そのことを、今日、何度も強調して、ここは畜産県、宮崎県としては、将来の畜産のためにも、このリングワクチンというものを、きちんと守っていただきたいと。実際に、殺処分しなさいという勧告をしたわけですから、本来、法的に言ったら、勧告に基づいて、勧告どおり行わないのだったら、県が殺処分しなければいけない、それをしないというのは、おかしいではないですか、という話を、今日、懇々とさせていただきました。しかしながら、知事としては、『勧告は勧告で、殺処分は別だ』という言い方していますが、これは、私も前に話したとおり、勧告を、殺処分を勧告するということは、しなければ殺処分しますよ、ということなので、そのとおりやらないということは違法な状態だと。従って、これは、いわゆる地方自治法による、245条の7によってでも、いわゆる是正勧告、違法な、あるいは適正ではない都道府県の知事の行為だから、それをきちんと殺処分しなさいという指示を、改めて、私の方から、今日出させていただいた、そういうところです。それに従わない場合は、代執行、地方自治法に基づく代執行を検討して、やらなくてはいけない」
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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