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自分の経営を客観的に診断する

法人化で節税、社会保険を装備

 固定資産について特徴的な点は、まず、上地の簿価が五二〇〇万円あることです。上地だけで総資産の三分の一を超えています。このことからも、C農園の経営が農地購入によって拡大してきたことが同えます。これに対して元入金が五一〇一万九〇〇〇円となっています。土地に投下された資金はこれを売却しない限り半永久的に回収されませんが、元入金という返済不要の自己資本により土地への投下資本がほぼまかなわれており、健全な形になっています。

 固定資産についてもう一つ特徴的な点は、建物・構築物の簿価が四九九六万八〇〇〇円あることです。これも総資産の三分の一以上を占めています。建物・構築物の大部分はパイプハウスとなっており、その建設資金は主に長期借入金によってまかなわれています。

 長期借入金の残高のうち一九〇〇万円がパイプハウスの取得資金で、これに対するこの年の年償還額は三〇〇万円です。一方、パイプハウスなどの構築物の減価償却費は年間三〇〇万円強であり、前回説明した「減価償却の自己金融効果」によって手元に残った資金で借入金の償還がまかなわれています。

 なお、農地の取得資金の年償還額は一四〇万円ほどです。こちらは利益の留保金額から償還する形が望まれます。この年の青色申告控除前の農業所得金額は一二〇〇万円ほどであり、この金額から税金や社会保険料、生活費などを除いた金額が手元に資金として残るわけです。したがって、農地取得資金の返済についても全く問題ありません。


損益計算書分析
規模拡大の割には売上が上がっていない


 次は、損益計算書です。売上高の一億四三二〇万円に対して売上原価は八〇六五万円で、差引売上総利益は四九一七万円です。C農園では自家生産のほか、同業者から仕入れた園芸品の販売も行っていますので、売上原価を製品製造原価の四八二七万円と商品売上原価三二三八万円に区分して損益計算書に計上しました。

 今回は、収益性分析の指標として、まず、売上高総利益率を見てみましょう。売上高総利益率は、次の式で表されます。

売上高総利益率(%)=売上総利益/売上高×100

 売上総利益とは、いわゆる粗利ですが、 C農園の場合、売上高に対する粗利の割合、すなわち売上高総利益率は四四・八%となっています。この数値は業種によってかなりの違いがあるものの、中小企業の場合、平均で二五%程度です。したがって、C農園は売上高総利益率で見る限り、かなり高い収益性をもっているといえるでしょう。

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