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身体で得たものの大きさを旧海軍将校に学ぶ
さて、今回は農業と関係ある話だと気付いた方はいるだろうか? 農業において避けて通れないのが気象である。降雨があるかどうかやその量。風向・風速は農薬散布に影響する。気象条件が悪い時は感と経験のみで営農するのか? テクノロジの計器(機械)を信じることは投資をしなさいと言う意味ではなく、我々の出来の悪い前頭葉の負担を減らし、作業を数値化し誰でも同じ農産物を作ることでもある。
もうひとつ。飛行教官曰く「理論武装してもセンスがないとね」。つまり地上で学科試験が完ぺきでも、いざ操縦してみたら……。たぶん農業も同じである。教官はこの様なことも「1点集中ではダメ、いつも情報を目、耳、手、腰で感じなさい」。最後の腰とはG(重力加速度)を腰で覚えよと言う意味だ。先ほどの「感を頼るな」の話に矛盾するかもしれないが、臨機応変も大切なのだ。
さてもう少しで8月15日がやってくる。日本が敗戦を決め米国の影響力の下となることを決めた日である。昨年のお盆には貴重な体験をさせていただいた。大正9年生まれで90歳になる海軍予科練出身、オーストラリアのすぐそばのラバウル飛行隊で零式艦上戦闘機(ゼロ戦32型)に乗り、敵と戦った前川吉朗さんと札幌飛行場から1時間ではあったが同乗していただいた。戦後、農協職員となり昭和26年、空の解放が決まり東亜航空の設立に関与され、その後、第一線で飛び続けてこられた。初めてお会いしてから25年経ったので、少し身体は弱くなられたが、私がフラップやミックスチャーの操作をするたびに、顔は前方を確認しながら目線をずらさないで、私の邪魔にならないように、左手や左足を微妙にずらしていただけた。数cmの動きで、初めて飛行機に乗る人にはできない行為である。何十年も飛ばれた大先輩は頭ではなく、身体に染みついた動きで日本の将来を信じて戦ってこられたと思うと、つい目頭が熱くなってしまった。先の大戦で亡くなった方達はどう思うのだろう、頭は良いが生殖能力ゼロの男が日本の未来を作ることに。
日本には徴兵制が必要である。自分や自分の家族、国を守ることに遠慮はいらない。その時が来ないのが一番ではあるが、せめて男子は銃の扱いと飯炊き、女子は対空砲とナギナタくらいの扱いは学校で教えても良いと思うのは過激だろうか。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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