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土門「辛」聞

米穀データバンクの作況指数「102」を信用する?


 官庁の情報でも、まずは疑ってみるべきだ。大切なことは現場感覚で物事を判断するということではないだろうか。そして各地に自分なりの情報ネットワークを構築しておくことだ。各地の作況を電話一本で情報を取れるようにしておくことなのである。筆者も、米穀データバンクの数字が出たらすぐに、自分の目と耳で生育状況を確認するようにしている。各地の生産者に、実際に稲の姿を見てもらったり、根の生育状況について教えてもらったりした上で、自分なりの判断を下すことにしているのだ。


安値相場でスタートも春先はジワッと値戻しか

 今年の作況を予測する上で重要なポイントが一つある。一般に作況指数は、主食用米について論じられる場合が多いようだが、今年のように、戸別所得補償と水田利活用自給力向上事業が導入されると、本来は、主食用、非主食用、この二つに分けて考える必要があると思う。

 田圃で目にする稲は、どこも「こっちは主食用、あっちは非主食用」とは書いてはいないが、相場を見るときは、主食用と非主食用の作況を分けて考える必要があると考えている。ポイントは、その区分けだが、非主食用の作付け状況を予測するのに、加工米や新規需要米の申請状況がとても重要なファクターとなる。農水省が8月20日に公表した数字では、新規需要米が2.7万ha、加工用米3.8万ha、トータルで前年度比1.7倍の増加となっている。同日の会見で山田正彦農水大臣は、「需給は、22年産については、平年作であれば引き締まるのではないか」と述べている。ちょっと極端な例だが、秋田・大潟村では加工米生産が昨年比6倍に増えたということだ。そのためか、加工米の値段が下がっている。加工米を扱う業者の話だと、1000円から1500円も落ちているようだ。10月施行の「米トレーサビリティ法」も加工米増産に追い風になっている。それが主食用の需給にどう影響してくるか。ここを見極めなければならない。

 何よりも戸別所得補償と水田利活用の事業に5618億円の減反・転作対策を講じたわけだから、相当規模で減反・転作が進むのは当たり前のことである。それと先に指摘した農家の生産意欲と栽培技術の低下という問題もある。あれやこれやで主食用の「正味の」作況指数ということでみると、97か98ぐらいではないだろうか。

 しかも政府備蓄米を20万t積み増しという報道記事もある。ある意味、政府が前言を翻して緊急買い上げを実施したものと受け取れないこともないが、これは仕方がないなと思う部分もある。昨今の気象変動だと、作況指数で10ポイントぐらい落ちるぐらいの不作がないとは言えないからだ。このお盆に、中国がベトナムからコメ60万tを輸入するニュースが出回って、海外の穀物関係者を驚かせているようだ。平成5年の大不作の時のように札びらを見せたらコメを売ってくれる時代ではなくなったのである。

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