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特別企画 緑肥全カタログ
緑肥利用の意義と、市販緑肥専用種子52品種を一挙紹介
- 編集部
- 1994年12月01日
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緑肥は地力の源泉
雑草を取って圃場のわきに野積みしておくと、夏場だとわずか一、二ヵ月間くらいで“土”になってしまう。手でさわってみると、さらさらとした感触、微粒な構造の、みるからにいい土である。
ところが、これは厳密にいうと、鉱物質由来のものがほとんど含まれていないから、土とはいえない。土壌中の微生物のはたらきによって、雑草が分解され、その結果できた腐植である。
腐植は土壌の中に含まれ、粘土鉱物とともに、肥料養分を吸着したり交換するなどの、土の化学的なはたらきの中心的な作用をするものであることは、関祐二氏の「自分の畑は自分で診断する」で改めて学んできたこと。つまり、雑草という有機物は、土壌中の小動物や微生物の活発なはたらきによって、きわめて短い間に分解され、地力の源泉である腐植を作り上げるのである。
雑草から腐植ができる過程は、有機物を土に入れることがいかに大事かを教えてくれている。
緑肥利用の効果
有機物の投人手段には、堆肥の施用や収穫後のワラなどのすき込みのほか、ここで紹介する緑肥のすき込みなどがある。緑肥の利用は、まだ作物体が青いうちにすき込んで有機物を補給する技術である。その代表的な例が、かつて全国各地で広く行われていた水田裏作利用のレング栽培だ。この技術は、空中窒素の固定というマメ科の特性をうまく利用したものだった。もちろん開花した後にすき込まれて腐植を形成し、地力の培養に大きな役割を果たすものだった。
緑肥のすき込みは、堆肥の施用以上に、土壌中の微生物の繁殖を促し、活性化させる。それは、堆肥化された有機物は、植物体に含まれていた糖類やたんぱく質、繊維質などの大方がすでに分解され、安定した状態に近いために、微生物活性はさほど高くない。一方、緑肥は分解前の植物体である。それをエサに、微生物が活発に活動するからだ。
土壌中にすき込まれた緑肥は、雑草から腐植が作られるように、微生物のはたらきによって分解され、腐植へと変わっていく。その結果、土壌の改良がすすむ。緑肥利用による効果を整理してみよう。
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