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【木内博一の和のマネジメントと郷の精神】
「お帰りなさい」がつくる農業サービス
- (有)和郷、生産組合(農)和郷園 代表理事 木内博一
- 第23回 2010年08月31日
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和郷グループが運営する農のテーマパーク「THE FARM(ザ・ファーム)」の進捗状況をお伝えしよう。
テーマパークの建設は五期計画で進んでいる。一期工事が終わり、この9月14日に先行スタートするのが貸し農園、5坪タイプの50区画だ。来年の4月には、5坪が250区画、10坪が250区画の全500農園が出揃う。
サービスを提供できる経営環境
一般の貸し農園との違いは、大きく三つある。まず温泉付きだ(笑)。農作業で汗を流した後は、温泉にゆっくりつかり、疲れをいやせる。農家だって作業後はすぐに風呂に入りたいのとまったく同じ気持ちだ。近くの公営温泉に寄って帰るのを楽しみにしている読者もいるだろう。都市のお客さんにそんなちょっとした田舎の豊かさを感じてもらう機会にもなる。
さっぱりした後は、地場産の肉や野菜をふんだんにつかった料理が用意される。食後はお腹休めに、敷地内の森の散策もできる(里山の整備は4年後の五期工事)。森の中のロッジ泊まりもできる(再来年の三期に完成予定)。すぐ隣のゴルフ場でプレーをしてもいいし、近くの海で海水浴を楽しんでもいい。5haの敷地内に川もつくって、水遊びや釣りもできるようにしたい。森の整備が終われば、馬やポニーを放し飼いにする。キャンプ場も併設する予定だ。
温泉は昨年の6月に先行オープンして、これまで延べ9万人にご利用いただいている。地元客がメインだが、わざわざ東京から通ってこられる常客が増えてきている。
先行オープンしたのには理由がある。貸し農園客向けだけでは、温泉経営は成り立たない。であれば、より客層の広い温泉でビジネスを成り立たせることで、貸し農園客にそのサービスを提供できる経営環境を創り出せばいい。和郷園の野菜を輸出するために、築地の鮮魚の輸出から流通ルートを構築した戦略と同じだ(連載5月号参照)。自分がお客の立場でシンプルに考えた当たり前のことを実行するだけだ。
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木内博一 キウチヒロカズ
(有)和郷、生産組合(農)和郷園
代表理事
1967年千葉県生まれ。農業者大学校卒業後、90年に就農。96年事業会社(有)和郷を、98年生産組合(株)和郷園を設立。生産・流通事業のほか、リサイクル事業や冷凍工場、カット・パッキングセンター、直営店舗の展開をすすめる。05年海外事業部を立ち上げ、タイでマンゴー、バナナの生産開始。07年日本から香港への輸出事業スタート。現在、ターゲット国を拡大準備中。起業わずか15年でグループ売上約50億円の農系企業を築き上げた木内氏の「和のマネジメントと郷の精神」。『農業経営者』での連載で、その“事業ビジョンの本質”を初めて明かす。
木内博一の和のマネジメントと郷の精神
起業わずか15年でグループ売上約50億円の農業ビジネスを築き上げた“農業界の革命児”木内博一。攻めの一手を極める氏の経営戦略と思考プロセスを毎月、明かしていく。
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