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木内博一の和のマネジメントと郷の精神

「お帰りなさい」がつくる農業サービス

農のテーマパークがいよいよ始動する。和郷グループが提供する農業サービスの中心は、貸し農園の畑だ。すでにオープンした温泉を皮切りに、直売所、宿泊所、里山……続々と展開していく。都市の人々の立場に立って、「ただいま」と帰ってこられる場所を一緒に創っていくのがミッションだ。

 和郷グループが運営する農のテーマパーク「THE FARM(ザ・ファーム)」の進捗状況をお伝えしよう。

 テーマパークの建設は五期計画で進んでいる。一期工事が終わり、この9月14日に先行スタートするのが貸し農園、5坪タイプの50区画だ。来年の4月には、5坪が250区画、10坪が250区画の全500農園が出揃う。


サービスを提供できる経営環境

 一般の貸し農園との違いは、大きく三つある。まず温泉付きだ(笑)。農作業で汗を流した後は、温泉にゆっくりつかり、疲れをいやせる。農家だって作業後はすぐに風呂に入りたいのとまったく同じ気持ちだ。近くの公営温泉に寄って帰るのを楽しみにしている読者もいるだろう。都市のお客さんにそんなちょっとした田舎の豊かさを感じてもらう機会にもなる。

 さっぱりした後は、地場産の肉や野菜をふんだんにつかった料理が用意される。食後はお腹休めに、敷地内の森の散策もできる(里山の整備は4年後の五期工事)。森の中のロッジ泊まりもできる(再来年の三期に完成予定)。すぐ隣のゴルフ場でプレーをしてもいいし、近くの海で海水浴を楽しんでもいい。5haの敷地内に川もつくって、水遊びや釣りもできるようにしたい。森の整備が終われば、馬やポニーを放し飼いにする。キャンプ場も併設する予定だ。

 温泉は昨年の6月に先行オープンして、これまで延べ9万人にご利用いただいている。地元客がメインだが、わざわざ東京から通ってこられる常客が増えてきている。

 先行オープンしたのには理由がある。貸し農園客向けだけでは、温泉経営は成り立たない。であれば、より客層の広い温泉でビジネスを成り立たせることで、貸し農園客にそのサービスを提供できる経営環境を創り出せばいい。和郷園の野菜を輸出するために、築地の鮮魚の輸出から流通ルートを構築した戦略と同じだ(連載5月号参照)。自分がお客の立場でシンプルに考えた当たり前のことを実行するだけだ。

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