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高橋がなりのアグリの猫

全社員に勅令「ここから1〜2年は人間らしい生活を諦めろ!」



 しかし、数カ月前に発生した熱帯低気圧は台風に変化して、国立ファームに上陸することは社員の誰の目にも確実になってきました。今までは社員に失敗しながら学ばせるために、各自の判断に任せて参りましたが、1カ月ほど前に、非常事態宣言を発令しました。全判断を社長である僕が下すため、毎日の報告であらゆる案件を逐一報告させ、全て僕の指示通りに動く中央集権的なシステムに改悪してしまいました。

 で、どんな台風が来たのか? 1号が飲食企業から農家の台所フランチャイズのオファー、2号が青果仲卸から国立ファームが取り扱う野菜卸のオファー、3号が百貨店から食料品売り場テナント出店のオファーです。どの台風も良い条件をいただいており、断わる理由がありません。

 台風1号は今流行りの野菜レストランを渋谷に出店計画していた企業様が人気レストランをリサーチしたところ、農家の台所の野菜が群を抜いて美味しかったということで、真似をしても勝てないと判断して、FC契約をしたいとお話を頂きました。FC1号の広島店と直営5号店の銀座店と合わせて年内3店舗の出店を予定しています。台風2号は既存のレストランチェーン数社から同時に「野菜で差別化をしたい」と注文を受けた仲卸様から、市場品では無理なので、とお話をいただきました。台風3号は電鉄系百貨店様から1年で八百屋3店舗をテナント出店して欲しいとのこと。今までは卸しだけでしたので、始めて八百屋の小城を築けそうです。

 取引先の篤農家さんたちから分けてもらった野菜はやはり特別な価値のある商品でした。それに消費者が気付き、飲食店や小売店が追いかけ始めたようです。今まで人生の中で他人様に期待されることのなかった社員たちには、多分最初で最後の“人生の勝負どころ”が舞い込んできたんです。ここで勝てれば将来は企業の創業メンバーとして社長・取締役といった想像もできなかったポストが手に入ります。さあ、社員諸君、覚悟を決めて、突然立たされた舞台でビビることなく大暴れして下さい。

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