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【ちょっとちがうぜ中国で農業】
なぜ日系企業でストライキがおこるのか?
- 土下信人
- 第67回 2010年08月31日
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物価上昇と最低賃金上昇
今年5月に広州ホンダでストライキが起こり、それが日系の自動車部品メーカーにも波及して生産停止に陥る事件があった。広州ホンダは最低賃金制度や労働規則なども遵守している企業である。中国企業によく見られるように最低賃金や残業手当、休日出勤手当の基準を守らなかったわけでもない。
それより以前に、広東省深センにある台湾系大手電子機器メーカー、富士康科技集団の工場では、今年に入ってから6月までに10人もの従業員が自殺する事件が起こっている。ここは40万人の従業員が勤務する巨大な工場で、アップル社の携帯電話「iPhone」や任天堂のゲーム機「Wii」も受託製造している。それだけに社会問題に発展したが、こちらの場合はストライキが起こることはなかった。
中国の労務問題の70%は日系企業で起きているという報告もある。なぜ日系企業ではストライキが起こるのだろうか。
これには、中国政府が進めている物価と賃金の上昇政策が関係している。広州ホンダのストライキも「物価上昇による生活苦」という名目での賃上げ要求だった。
中国政府は、田中角栄の日本列島改造論から学んだ中国大陸改造論によって国ぐるみで不動産を値上がりさせることに成功している。今度は所得を上げるようと、2011年から2015年の計画には、池田勇人が提唱した所得倍増計画を取り入れることも検討しており、来年の全国人民代表大会で決定する予定だ。
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土下信人 ツチシタノブヒト
1949年愛知県生まれ。95年、沖縄で(有)土下を設立。組織培養技術を活用した苗生産・販売を中心とした農業のコンサルタント業務を開始。上海で組織培養施設への指導を行ない、2003年同地で組織培養会社、上海百奥微繁植物有限公司を設立。HP『大きな国で』を開設。
ちょっとちがうぜ中国で農業
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