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過剰の対策、欠乏の克服

穴掘り診断が見破ること



まず自分で掘る面白がって興味をもつ

 前回、北海道でスタートした土壌研究会「SSH(Soil Science Hokkaido)」を紹介しました。ここでも穴掘り診断が基本です。今年7月には穴掘り診断の講習と、畑の現場診断をやってみました。その時の問題点や、穴掘り診断をどのように身につけていくのがよいか述べてみます。

 まずスコップで掘る場所を決めます。これは教科書的には周囲の影響の少ないところということになっています。特別のことがなければ畑の中央になるでしょう。

 掘る穴の大きさは50cm四方でよいですが、講習会では多勢になるため、もっと大きくてもよいです。この段階で最も大事なことは、スコップで土を掘っていく際に、スコップをさし込んだときの感触をよく注意することです。このときに畑の様子をかなり知ることができます。

 次に掘り下げながら、上層土と下層土の境目に注意します。一般にこの境がない畑はありませんが、明瞭か不明瞭かという差はあります。

 実際にやってみると、どのくらい深く掘るのかという質問がよく聞かれます。本来的には深さに決まりがあるわけでははなく、浅くしか掘れない場所もあれば、1mでもスコップが簡単に入る場所もあります。その違いを知ることが土壌断面調査の醍醐味なのですが、それでは分かりにくいので、およそ60cmぐらいを目安として下さい。

 こうして掘り下げたら、次に観察面の仕上げをします。スコップで粗く削っただけでは観察するのが難しいので、一つの断面を観察面と決めて、移植ゴテで下から上に向かって、横に引くように整えます。この仕上げが終わると、きれいな土の断面、畑の顔といってもよいものが完成します。

 長年にわたって農業をして、畑や田に自分の生涯をかけてきた人も、実は意外とこの土の断面を見ていません。私の父親も何十年と農業をしましたが、たぶん一度も見てないでしょう。田畑を平面で見ることが、一般的に田畑を見ることですが、断面を見るという発想はでてこないものです。

 この調査法は19世紀後半に、ロシアのペテルスブルグ大学で地質学を研究していたドクチャエフという学者が考え出したもので、彼は1万kmものロシア平原を踏査したといわれています。やってみると実に簡単ですが、やはり発明者がいたということです。

 とにかく面白がって興味をもち、あらゆる機会に土壌の断面を観察してみてください。ここでは有効土層の確認、土性、土色、硬度、礫の有無、粘性、湧水面について調べ記録します。もちろん写真をとります。

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