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農水捏造 食料自給率向上の罠

「輸入が増えても、主食米の自給率は永遠に100%」(農水省)の二重詐欺



 国産で「消費量」を本気で上げたいのなら、生産調整をやめて生産性を高めるしかない。コメ需要の価格弾力性を大きくして、消費が増えれば増産につながり、結果的に自給率は高まる。政府の政策は反対に、所得補償によって生産調整を強化し、自給率低下を促進させる減産、生産性減退を奨励している。

 それでも、農水省はコメ消費が減ったから自給率が下がったという。なのに、主食用米の自給率は長年、100%のままだ。おかしくないか。

 コメ単体の自給率は品目別自給率にもとづいている。計算式は、「国内生産量÷国内消費仕向量(国内生産量+輸入量─輸出量)×100」である。


主食米自給率は100%ではない

 そこで、筆者が農水省データをもとに計算式に沿って自給率を出してみると、100%にならない。09年の国内生産量847.4万tを国内消費仕向量855.27万tで割ると答えは99%となる。852.7万tの内訳は、国内生産量847.4万t+輸入量8万t(ミニマムアクセスの輸入米のうち主食用)─輸出量(国産食用米の輸出)0.13万tだ。

 当然といえば当然だ。ミニマムアクセス(MA)で輸入される70、80万tのうち、毎年、10万t前後が主食用に出回っているのだから、そもそも100%のはずがない。これまで通算、外国産米108万tが主食用に販売されているのだ。

 1%の差とはいえ、黙殺できるものではない。いくら自給率が低くても、「主食の自給率は100%」と長年、農水省が主張してきた根拠となる数字だ。

 なぜ農水省はこんな見え透いた嘘をつくのか、素朴な疑問が湧いてくる。自給率計算の担当部署、食料安全保障課の自給率班に聞いたみた。意外な答えが返ってきた。

 「コメの自給率計算は総合食料局の計画課。われわれは上がってきた数字をそのまま載せているだけだから、分からない。直接聞いてみてくれ」

 計画課に問い合わせてみると、耳を疑う答えが返ってきた。

 「毎年必ず100%になるようになっているんです」

 どういうことか。呆気にとられながら、質問攻めにした結果、全容が明らかになった。

 私の出した99%は「農水省の公式の自給率計算どおりで論理的には正しい」と認めてくれた。しかし、である。「主食用米の自給率は絶えず100%なので99%ではない。したがって、99%は正しくない。だから、自給率は100%である。私が担当になる前からずっと同じですから」と繰り返す。論理破たんも甚だしいが、本当にこれが正式回答である。

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