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【海外レポート】
豪州ビクトリア州農業視察レポート(5) ビクトリア州の野菜&果物 後編 効率性と品質向上の両立に挑戦する
- 2010年09月29日
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モマック(クーウィーラップ地区)
ここでは、アスパラガスを主体に栽培からパッキング、輸出までを手がけており、生産量の約半分を日本へ輸出している。栽培面積は480ha、収穫量は4000tだが、調整後の出荷量は2500tになる。収穫期は8月下旬から12月下旬で、伺った時期はもうすでに収穫期を過ぎており、アスパラガス自体は養生期で、畑はアスパラガスの葉が生い茂っている状態であった。
パッキング工場の場内に入ると、若干薄暗い。それは、稼動していないという理由だけでなく、目を凝らして見ると、外部の温度を遮断するために、屋根、壁の全ての面に、アルミ箔を利用した断熱材が貼られている。徹底的な断熱を行なわない理由を尋ねたところ、「通年使う施設ではないため、これで十分だ」という。なるほど、これで品質が担保されていれば、必要十分で、過剰な投資をせず、効率的である。
人手で収穫されて工場に運び込まれたアスパラガスは、選別調整ラインに流される。さらに切断面をカットし、太さと、長さで選別したものが、束ねられていく。
日本へ輸出されるアスパラガスは、1kgあたり約145円(1.7豪ドル)という安価な航空便を利用して、日本へ運ばれる。木箱梱包で輸送され、プライベートブランド商品にも積極的に応じているようだ。
フレーバライト・トマト社(ワラガル地区)
1994年創業の、水耕栽培トマト専業の大規模トマト生産業者だ。9月号で載せた、メルボルンマーケットの中にも、店舗を構えている。トマトの栽培面積は11ha、そのうち見学させていただいたオランダ式の最新のハウスは4haを占める。
農場は、道の両側には放牧地が永遠と広がる国道をひた走り、道脇に入った場所にある。訪れた他の地域と同様にこの辺りも水が少ないが、その分、余計な病害虫も発生しなさそうだ。水管理については無駄を省きながら、リサイクルウォーターにも真剣に取り組んでいる。農場の入口付近には、潅水用の巨大なタンクが二つ設置され、さすが、水がない地域だけあって、有効利用を考えていることがうかがえる。
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