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規模拡大には頼らない次の一手
山に囲まれ、荒川流域の低地にしか農地が存在しない関川村では、規模拡大といっても限界が見えている。軌道にのせたユリの栽培技術にさらに磨きをかけながら、次の一手をどうするか、本間にとっては思案のしどころだ。
寒冷地でのユリ栽培の作型は、季咲栽培、抑制栽培、促成栽培に分かれているが、これまで促成栽培には手を出してこなかった。抑制栽培の作型の方が、競合産地の出荷時期をずらしやすかったからである。
しかし09年からは、燃料コストをダウンさせる暖房器を導入し、促成栽培にも挑戦し始めている。すでに本間の生産するユリは、市場の評価で上位3%に入る高品質を誇っている。これからもその品質を維持しつつ、あらゆる作型に対応することができれば、さらなる飛躍を果たすはずだ。東京に出ていた長男・健太郎も2年前から就農した。彼の成長を見守りながら、今夜もちゃぶ台で夫婦の戦略会議が繰り広げられていることだろう。 (本文中敬称略)
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本間茂雄 ホンマシゲオ
岩船地域農業生産組織連絡協議会
会長
1957年、新潟県関川村生まれ。地元高校を卒業後、茨城県水戸市の鯉淵学園(現鯉淵学園農業栄養専門学校)に進学。その後、自転車旅行をしながら有機栽培農家を訪ね歩く。帰郷後、24歳で製材所に就職すると同時に結婚。1997年、16年間務めた製材所を退職して専業農家になる。2年前より長男・健太郎(27歳)が就農。10haの圃場のうち、水田8haで特別栽培米を、残りの2haでユリ切花や山菜などを生産する。ユリの年間売上は2,800万円を超える。あらかわ切花部会長。
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