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オーガニック・マーケット調査報告書から

農業のもう一つの道 有機農業の可能性が見えてきた(前編)

農産物全体のわずか0.18%。なかなか発展しないオーガニック市場を活性化するために、業界を網羅した日本初のマーケティング調査が実施された。そこから見えた意外な可能性とは?

農家数減少が本格化、というニュースの意味

 9月7日付けで「農家数の急激な減少がいよいよ本格化してきた」というニュースが一斉に取り上げられていた。2005年からの5年間で農業就業人口が335万人から260万人へと75万人減少し、減少率は22.4%となった。その前の5年間は13.8%、さらにその前は6%、まさに「急激」だ。しかも農家の平均年齢は65.8歳、今後5年間で40%減少しても不思議はない。

 ただし一方で農業経営体による経営耕地面積は364万haで5年前の1.5%減にとどまっている。そのうち借地は107万haで5年前より24万ha(29.6%)の大幅増加となっている。さらに法人化された農業経営体の数は16%増である。

 従って日本農業の現実を簡単に表現すれば、農業就業人口は大幅に減少していく一方で、経営耕地面積はそれほど変わらず、耕地は借地化されて経営体の規模拡大と法人化、ひいては農業経営力の向上が進んでいる。従って生産量や出荷量が減り、例えば自給率まで急激に低下するということはないと考えられるだろう。

 しかしニュースで強調されたのは「農業就業人口がこの5年間で22.4%減」ということのみで、あたかも放棄地が急激に増え、このままでは自給率も一挙に低下するような印象だった。大事なのはむしろ後半であり、それは7日に公表された農林水産省の農林センサスを詳しく見ないとわからない。一般の人はまずそこまで詳しくは調べない。部分的強調はややもすると全く別の印象を作り出す。事実は調査結果の全体から的確に判断するべきだ。

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