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【エコファーム・アサノ 脳業発想力】
農家もサラリーマンになったらどうよ
- エコファーム・アサノ 浅野悦男
- 第17回 2010年09月29日
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民主党政権になってもう1年以上が経つな。正直言って俺は政治なんか興味ねえし、選挙にも行かねえけど、近頃の政治家ときたら選挙のたびに「雇用の確保」とか言うからふざけてるよな。バカ言うなって。政治家なんて何の産業も生み出さねえのに、どうやって雇用を確保するっていうんだよ。やれ財政再建だ、経済がどうだって騒いだって、何の答えもねえじゃん。事業仕分けなんてパフォーマンスもやったけど、結局たいした無駄なんて見つからなかったじゃんよ。
落語でいい例があるよ。あるけちんぼの商店の旦那が、無駄を省こうとして、まずはのクビから切っていくのね。あいつがいても無駄だなって。そんで番頭も切って、女房と自分だけになるんだけど、よく考えたら女房がいても無駄だなってことで、女房まで実家に帰しちゃう。で、さらに考えたら、あれ、俺がいたって意味ねえなってことに行き着くの。政治家が無駄を省くっていうのもそれと同じじゃん。究極の無駄はてめえらなのよ。政治家が偉そうに無駄を省くっていうなら、自分たちが無駄な存在だって考えたらいいのよ。今の日本はもう政治家がいなくても動くシステムになってるんだから。国の行く末を監督するのは、別に国会議員じゃなくてもいい時代になってるの。
雇用については、最近は農業分野が期待されているみたいだけど、単純に就農希望者が増えりゃ解決する問題でもねえよな。だって実際に誰かを雇用できている農家がどれだけいるの? 個人経営の農家なんて、自分の手間賃だってまともに出ねえんだよ。人を入れて表向きの売上が伸びたって、そいつのために仕事をつくり続けないといけねえじゃん。農業法人で、世の中のサラリーマンと同じような基本給を出してるところなんてどれだけあるんだよ。
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浅野悦男
エコファーム・アサノ
1944年千葉県八街町(現八街市)生まれ。農業高校中退後、17歳で就農。その後、麦・落花生・サツマイモ中心の経営から野菜へと転換した。現在は高品質な西洋野菜を100種類以上作り、各地のレストラン向けに販売。シェフたちとのメニュー作り、新たな食材作りにも取り組む。本誌35号農業経営者ルポに登場。【経営データ】●面積/畑地2.5haで100品種を超える西洋野菜を栽培。●労働構成/夫婦と甥の3名。●取引先/全国100店舗以上のレストランに直販。
エコファーム・アサノ 脳業発想力
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