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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
ある国で出会った、東京もんサラリーマンの話
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第31回 2010年09月29日
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農業生産者は給料取りのサラリーマン? 自営業者? 生活保護者? 人にはそれぞれの考えがある。農業生産者であっても、人に接する必要があればサラリーマンだと思うかもしれないし、いや自分が親方なのだから自営業者だという意見もあるに違いない。そしてどこかの誰かの様に収入の3分の2以上が交付金だと生活保護者と変わらないと言われても仕方ないだろう。なぜそんなことを思ったかというと、「サラリーマンになることはすごいぞー」と3D大画面で迫られる場面に出くわしたからだ。結論から言うとサラリーマンは学力優秀で、一流会社で働いた方が農村社会で働くよりも社会的地位が高いと考えているようだ。
はい、その通りでございます。ヒール宮井は全く異議がございません。
だって優秀なサラリーマンさまが一生懸命働き、会社が儲かり、税金を関係機関に収めていただいているので、国家の税収が増え、その予算配分が農水を通じて非効率的な生産者に支払われて、都市でできないことを我々、生産者が理論武装された農政を実行しているのです。
私は農政のど真ん中を肩で風切って歩く、至ってマトモな生産者だと思っているので、もし「宮井さんはサラリーマンにはなれませんよ」なんて言われたら、「あ~うれしい、またしっかりと褒められてしまった」と感じて完璧に悦の世界に入りこみ、トリップ状態になる……はずだったが、腹が立った。だが、TMS(東京もんサラリーマン)さまから「たかが農家が……」なんて言われてしまい、それが結果的に褒めているのと同じことを言っていると気付くのに随分時間がかかってしまったのだった。
農業はハイテクの塊だなんて、そのTMSさまに言ったら、波風を立てることになるんじゃないだろうか。たとえば、私達が自家用車のカーナビの感覚で使う農業用GPSのことをTMSさまに話したら「農業ではどの様にGPSを使うのですか?」と聞かれ、きっと話に幅が出てきて「ジョンディアの初期のGPSは日本、中国周辺地域では使えません。だってジョンディアは中国人からはGPSの受信料は取れませんからね」なんてことを言ったら、脳内物質が化学反応を起こして、カッチーン系のアドレナリンが生成されてしまい、頭がとてもよろしくていらっしゃるTMSさまからは「それ、おかしいでしょう宮井さん? 中国人差別は良くないですよ!」なんて言われるかもしれませんね。やはりこの様な場合は中国人ではなく中国と表現すべきなのでしょうか。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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