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ちょっとちがうぜ中国で農業

日本人が知らない中国の暗部

先日タイに行き、世界的に知られている日本人育種家の農場を訪問した。35haの圃場には育種家というだけあって実に様々な植物がある。メイド・バイ・ジャパニーズの多品種適量生産、そんな印象を受けた。この育種家に雲南から来たことを告げると興味深い話を聞かせてくれた。十数年前、彼は雲南で植物の栽培を委託したことがあり、政府関係者立ち会いのもとで中国側と契約、母株を提供した。栽培指導のためにたびたび現地も訪れたという。

中国で広まる品種の裏事情

 先日タイに行き、世界的に知られている日本人育種家の農場を訪問した。35haの圃場には育種家というだけあって実に様々な植物がある。メイド・バイ・ジャパニーズの多品種適量生産、そんな印象を受けた。この育種家に雲南から来たことを告げると興味深い話を聞かせてくれた。

 十数年前、彼は雲南で植物の栽培を委託したことがあり、政府関係者立ち会いのもとで中国側と契約、母株を提供した。栽培指導のためにたびたび現地も訪れたという。

 しかし、収穫の段になって中国側は、契約した価格があまりに安いと国際価格への見直しを要求し始めた。その根拠として提示したのは、なんと日本の種苗会社が出している通信販売用のカタログ。「通信販売価格が高いのは当然で、それは国際価格ではない」と契約の履行を訴えても中国側は応じない。それだけでなく、育種家をホテルに3日間閉じ込めて、「どうだ応じるか?」と迫った。拒絶すると、「契約は破棄でいいのだね」と言い、栽培委託していた植物を全部とられてしまったという。

 この育種家がつくった品種が中国の各地で見られるのは、背景にそんな事情があったからなのだ。


合併会社に黒社会の影

 育種家が体験したようなことは、私に身近なところでも起こった。日本の企業と中国の企業で設立した合弁会社が雲南にあり、そこに派遣されてきた日本人と友人になったのがきっかけだ。この友人から合弁会社に関する話を聞くことがあったのだが、どうも合弁会社の内情がおかしい。資本金は3億円もあるのに、土地を借りて温室を立て、事業を開始してから2年も経たないうちにお金がまったくなくなったという。

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