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過剰の対策、欠乏の克服

土のアルミニウムを知る


 火山灰土はこの酢酸のように、少ししか水素イオンをださないのですが、少し酸性側に傾くだけてアルミニウムがドッと出てきます。

 これによって作物は育成阻害を強く受けることになるだけでなく、土の中の貴重なリン酸も効力をなくしてしまいます。ですから火山灰土ではpH5.8から値が小さくならないように注意していることが賢明です。

 それに比べると非火山灰土は、例えば茶園土壌などではpH3.5ぐらいはざらにあります。特に腐植分を含まない赤黄色土などでは、多肥による硝酸態チッソが土のコロイドからカルシウムを引き連れて溶脱させていくことから、強い酸性の土ができてしまいます。


麦や大豆の場合限界はpH5.5

 酸性を好むイネや茶、パイナップルなどは別として、麦や大豆などの酸性の限界はいくつでしょうか。それは、一つの結論としてpH5.5です。この限界よりpHが小さくなると、土壌の酸性の害作用が強くでてきます。

 これよりpHが低くなると、土の中の微生物も細菌や放線菌の働きが急に弱まってきます。それに替わって酸性側で活発となるカビの類がよく活動するようになります。土の中の微生物のバランスとして、一般に細菌と放線菌が多く、カビ類が少ないことがよい状態とされ、土壌病害の発生しにくい条件ともされています。こうしたことから、酸性を嫌う作物のpHの下限の値は5.5と認識しておくことが大事です。

 では最後に、アルミニウムに関わる興味深い話をしておきましょう。アルミニウムを吸収できる植物もあり、それは茶とユーカリです。それぞれ古葉に蓄積させて落葉して解毒しています。

 ユーカリを食べるコアラは有名ですが、このコアラもユーカリの葉を食べたあと、しばらく動かなくなり昼寝をします。これは消化するのにアルミニウムが原因でその分離と解毒に時間と消化エネルギーが必要なためと説明されています。

 ところが、オーストラリア、アデレートにたいへん肥沃な地帯があり、土の腐植も多く、そこに生えているユーカリを食べているコアラは食後の昼寝はなしでも大丈夫だそうです。原因を調べたところ、土に腐植が多く、解離してくるアルミニウムが少ないためにユーカリの葉のアルミニウムも少なく、その結果コアラが食べても簡単に消化作用が進むということです。

 土とアルミニウムはまだ私達の身近な話題にはなっていませんが、これを機に注目していくと栽培術のヒントになるはずです。

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