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今年の市場相場を読む

夏秋期の果菜類は関東と東北産 トマト、キュウリ、ナス、ピーマン

果菜類は、本来は夏の野菜である。ただし今年は猛暑や干ばつの影響で、夏場の生育に肥大の遅れや高温障害が発生した。品質の劣化や入荷数量減などによって、高値推移するものもあった。果菜類は5月頃から関東産が始まり、7月には東北産が本格化、さらに秋にはまた関東産に戻ってくる。今年の場合、異常な高温で作物の力が落ちていることから、一般には切り上がりが早くなり、作型の連携がうまくいかない産地もある。一方で果菜類は多くの産地で生産されており、全体的には補完機能がある品目だ。今年の猛暑が、そんな産地間のバランスをどう乱したのか、それとも代替できたのか、検証が必要だ。

トマト 猛暑の影響も他産地が補完。露地物高騰の予想にどう対応するか

【概況】

東京市場のトマトは、果菜類全般がそうであるように、5月から急増して9月頃までがピークである。5月の急増は、熊本産の終了期と、栃木、千葉、茨城などの関東産地の本格的なスタートが重なるからである。8月はこれらの関東産に加えて、福島、青森などの東北産がピークを迎える。9月には東北産が終了するが、関東産の抑制物が引き継ぐ。今年の入荷は春にやや少なかったが、夏に向けては回復基調だった。

【背景】

関東と東北の境界に位置する福島は、産地移動の要にあたるが、同県のトマトは比較的順調に推移していた。青森や秋田では花が飛んでしまう高温障害が見られ、例年なら9月いっぱいはあるはずの入荷が、同月上旬で終了となった。それでも関東の秋型の抑制物が例年並みにスタートしていることから、入荷に大きな乱れはなかった。関東産は安定しているので、あとは10月以降の熊本産の作柄さえ良ければ、順調にリレーしていくだろう。

【今後の対応】

果菜類は基本的に施設栽培であるため、今年の猛暑に対しても、露地野菜に比べれば影響は軽微だと見る。今年は作付け時の猛暑の影響を受けて、11月前後から露地野菜が不作となることが懸念されるが、トマトは関東産の残量を含めて安定供給されてきそう。露地物が高騰すれば、それに引きずられる形で相場が高値推移することもあり得るが、ダイコン、ニンジン、ハクサイなどが高騰しても、せめてトマト産地は出荷促進に協力してほしいものだ。

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