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人生・農業リセット再出発

北極圏アラスカの巨大野菜物語

成田空港到着後、荷物受け取りのターンテーブルが音を立てて回り始める。大きなダンボール箱を受け取ると、カートに乗せて税関に向かった。制服姿の乗務員は、いつもはほとんどが口頭申告で済むのだが、その時は開扉検査となった。「中身は?」と聞かれて「NHK用の預かり荷物……」と曖昧な返事しかできなかったからである。

 成田空港到着後、荷物受け取りのターンテーブルが音を立てて回り始める。大きなダンボール箱を受け取ると、カートに乗せて税関に向かった。制服姿の乗務員は、いつもはほとんどが口頭申告で済むのだが、その時は開扉検査となった。「中身は?」と聞かれて「NHK用の預かり荷物……」と曖昧な返事しかできなかったからである。

 ダンボール箱を開けてびっくり! 信じられないほど巨大な、子供の背丈ほどもある1個のキャベツが押し込まれていたのである。「これは国内持込禁止品ですので、没収で焼却処分になります」と、冷静で事務的な植物検疫官の言葉が返ってくる。「いやあ、まいったなあ、これはNHKの放送で使う荷物で、頼まれて運んできただけだから、没収と言われてもねえ」とこちらも当惑するが、相手は馬耳東風で無表情のままである。受け取りで待機しているNHKの担当者を探し出し、ことの成り行きを説明するが、「何とかなりませんかねえ、大変急いでいるのですが」と自分のことしか念頭にない様子。ターミナルで乗務員用送迎バスに乗っている機長が、早くしろ!と目線を送っている。ラチがあかないので「私はこれで失礼します」と切り上げた。そのキャベツの話をスチュワーデスたちにすると、そんなの嘘に決まってるワ!とまるで相手にされない。そりゃあそうだ、と信じられない大きさに自分でも妙に納得する。

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