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【特集】
夢を実現する一歩を踏み出そう! A-1グランプリ2011への道
- 編集部
- 2010年10月29日
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2009年3月に開催された第1回目のA-1グランプリは、本誌全国大会の一部イベントとして開催された。当時は読者限定のイベントだったが、今回は応募資格を本誌読者に限定しない。
さらに、“農業・農村を核とするビジネスプラン・コンテスト”としてそのプランを表彰し、出資者や支援者を作っていくことだけを目的とするものではない。ビジネスプランを審査するだけでなく、その予備審査の過程で、事業プランを提案する人々と様々な企業人とが出会い、事業プランをブラッシュアップする場を作る。そのために全国5カ所で地方大会を行ない、2011年7月にグランプリを決める全国大会を東京で行なうことにした。
こうした過程を通して、個人が企画するビジネスプランに企業のセンスを加え、さらに幅広いネットワークが作られていくことを期待している。その出会いは、農業経営者たちの事業プランが企業人の知恵によってブラッシュアップされるというだけでなく、企業人たちにとっても、彼らが知らぬ優れた農業者や、農村にある知恵や理念を見出すチャンスになるのだ。それは必ずや行き詰まりを見せている産業界に新しい発展のヒントを与えるはずだ。
わが国の農業の不幸とは、日本が豊かな社会になった後も、長く食糧管理法によって農業の生産と消費が分断管理されてきたことである。さらに農業界が一般の産業界から、産業的にも情報的にも隔離されてきたことだと思う。それゆえに農業者の多くがマーケットに支持される「顧客本位」という当たり前の事業者としての理念を持てないでいた。それも、この間の農業政策の結果だともいえる。
欧米の農業展示会に行ったことのある読者ならわかると思う。海外の展示会でも、展示のメインは農業機械であることに変わりはないが、そこには必ず、ワインやハムやソーセージなどの展示や即売があるはずだ。農業の展示会において、食文化や食のビジネスとはつながって一緒にあるものなのだ。しかしわが国の農業展示会は、農業機械の展示会であるに過ぎない。
経済産業省と農林水産省が合同で“農商工連携”などとことさらに施策を打ち出しているが、それは欧米では考える必要もないことなのだ。役人の助けを得るまでもなく、農民と商売人たちが当たり前に自らの地域の商売を作り、食文化や地域固有の産物を作っている。
あらゆるものがグローバルに流通する現代であればこそ、なおさらそうした地域に根差す農業、地域事業者が手を組み、さらに地域を超えた企業や人がネットワークすることに意義があるのだ。それは地域や農業、さらには行き詰まりを見せる産業界にも、新たなビジネス開発のきっかけをもたらすことになる。それも、国の施策としての補助金があるからではなく、我われ一人ひとりの個人や企業が、自らの知恵と汗と金を使ってそれを育てていくことでこそ、地域や農業や国が変わっていくのだと思う。
農業経営者に限らず、読者諸氏には多くのビジネスプランを提案していただきたいと同時に、各種企業にはこの運動のサポーターとしてご参加をお願いしたい。(昆吉則)
STEP01 出場で得る気付きや成長とは? A-1グランプリで変わった経営者
事業計画書を作成し、審査員の前でプレゼンテーションを行なうことで、事業者はどう成長するのか? コンテスト参加を機に気付いた点や周囲の変化、そして今後の自らの事業展開にA-1グランプリが与えた影響について、2009年の第1回大会出場者に聞いた。
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