ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

エコファーム・アサノ 脳業発想力

数え切れないミカンの粒を信じろ



 さっきの科学者つながりの例でいえば、エジソンは何でも興味を持って実験したわけでしょ。火事を起こしたこともあるけど、そういう失敗もせずにいろんなことを発明できるわけねえじゃん。これとこれを混ぜて爆発したらどうしようとか、マイナスなことを考えていたら何もできねえよ。エジソンはバカだったから、それができたの。

 だから農家だって、人にバカだと思われようが、やりたいことをやればいいのよ。若い人たちはまだまだ時間があるんだもん。世の中も期待しているし、もっと外へ目を向ければいいじゃんよ。大げさなことじゃなくても、たとえば東京のおしゃれなレストランに行くだけでもいいじゃん。それだけでも何かの発見があるはずだよ。

 そんで自分でやりたいと思ったことを、どんどんやっちまえばいいの。日本は中途半端に杭が出ると打たれちゃうから、いっそのこと出過ぎちゃえばいいのよ。周りの人間に「もうあいつは好きにやらしておけ」って思われるようになったらラクなもんじゃん。それには常に人が理解できないことをやっちまうのが一番いい。「あいつが言ってることは意味がわかんない」って言われるようになれば、しめたもんよ。理解できる範囲内だと、所詮は打たれちゃう杭でしかないからよ。

 わからないやつにはいちいち説明する必要はねえし、そのうちわかるやつだけが集まるようになってくる。寄ってくるやつも寄ってくるやつで、みんなとは違うから、何かしら刺激になるものを持っている。そうすっと、いろんな化学反応が起きて、ますます先に進めるのよ。よく俺が1+1は2じゃねえぞって言うのはそこ。誰かに刺激されると1+1が5になったり、100になる可能性だってある。出てくる答えがわからないのが楽しいのよ。

 農家ってのは、最初から答えを求めるやつがやたらと多いんだよな。そんなの1+1は2にしかならねえと思っているのと一緒じゃん。それが5にも100にもなるかもしれないってことを考えればいいんだよ。

 だから俺は、それを孫にわかりやすく説明したことがある。ミカンが2個あるとするじゃん。それは誰が見たって2個のミカンだよ。でも皮を剥いたら、その中にはいくつの房がある? それを全部足したら2個じゃねえじゃん。さらにその房の中に粒がいくつあるかなんて、もう数え切れねえじゃんよ。個人の能力もそれと同じ。誰かに評価されて、自分もそうだと思ったら、それ以上にはなれねえ。自分の中には無数の可能性があることを信じて、希望に向かって行動あるのみよ。

関連記事

powered by weblio