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【坂上隆の幸せを見える化する農業ビジネス】
ゆとりを生み出す事業計画づくり
- 農業生産法人 株式会社さかうえ 社長 坂上隆
- 第22回 2010年10月29日
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今回は農業経営における事業計画について考えたい。この「事業」という言葉にちょっと構えてしまう人も多いと思うが、それほどのものではないだろう。なぜならば、事業とは仕事を積み重ねそのものであり、それ以上ではないからだ。
どういうことか。仕事をするということは、いわば問題を解決することだろう。自ら問題だという事柄を把握・認識し整理して、分類するところから、解決策を探っていく。対策を講じてひとつの問題が解決したとしても、次々に別の問題が派生する。しかも同時多発的に。それでもパニックにはならず、優先順位をつけて確実に解決をしていっている。こういった仕事の積み重ねが結果として、事業と呼ばれるものになるわけだ。
しかし、事業は必要とされなければ事業たりえない。必要とされていればこそ、やらなければいけないという気持ちになるものだ。そうして、いろいろなことを考えたり、シミュレーションしたり、問題をひとつずつ把握・分析していく。そしていかにその問題を解決していくかという道標になりうるのが事業計画といえるだろう。
経営の仕事もルーチンに
農業経営者にとっては、栽培計画が事業計画の中心になるだろう。無論、間違いではないが、経営という観点から見たら、財務、労務・人事、法務、環境……と多岐にわたることを忘れがちだ。コストにかかわる会計も、スタッフの雇用、コンプライアンス、農場やその周辺の環境といった問題についても、農業という産業だからといって解決を先送りにしていい理由があるわけではない。誰もがやっている栽培計画と同様に、いやそれ以上にほかの分野についても、本来は、計画を立てて取り組んでいかなければならないはずである
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坂上隆 サカウエタカシ
農業生産法人 株式会社さかうえ
社長
1968年鹿児島県生まれ。24歳で就農。コンビニおでん用ダイコンの契約栽培拡大を通して、98年から生産工程・投資・予算管理の「見える化」に着手。これを進化させたIT活用による工程管理システム開発に数千万円単位で投資し続けている。現在、150haの作付面積で、青汁用ケール、ポテトチップ用ジャガイモ、焼酎用サツマイモなどを生産、提携メーカーへ全量出荷する。「契約数量・品質・納期は完全100%遵守」がポリシー。03年、500馬力のコーンハーベスタ購入に自己資金3000万円を投下し、トウモロコシ事業に参入。コーンサイレージ製造販売とデントコーン受託生産管理を組み合わせた畜産ソリューションを日本で初めて事業化。売上高2億7000万円。08年から食品加工事業に進出。剣道7段。
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