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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
「GMにニエット!」なんて言わないウクライナの生産者
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第32回 2010年10月29日
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お会いする前からかなり“すっ飛んだおやじ”だろうとの思い込みはあったが、実際はもっととんでもない人物だ。例えるとしたらH2ロケットもしくはソユーズ並にお空にまっすぐ目標を決め、空気に裂け目を作りながら轟音とともに突き進む津軽人といったところか。
「ウクライナで大豆を作ろう」で名を馳せた青森・木村愼一さんには2004年8月24日、北海道土を考える会夏季研修会が私の地元・長沼で行われた時に、初めてお会いすることになった。
昨年は第2回全国大会終了後に、銀座にお伴させていただき、あの顔? で銀座のおねーたま達にモテモテの術を学ぶことになった。これって木村さんを褒めているのか? ケナシテいるのか? その辺のことを含めて本年8月に行われたウクライナ・モスクワツアーのご報告をさせていただく。
NHKでの数回の放送によるカラ知識や木村さんとの何度かのやり取りがあって「ウクライナってどこ?」の会話から始まり、じゃ行って見るかな、と重い腰を上げるのに2年近くが経過した。しかしウソはいけないので「それほどウクライナには興味はありません」と木村さんには伝えておいたが、結論から言うとやはり気になる国であった。
ロシアに行くのにはビザが必要なので、ソ連の旧衛星国ウクライナも同じであろうと思っていたが、そうではなく単なる観光の場合は口頭で何も聞かれることもなくスムーズに入国できた。
氷河が大地を削り取った北部の穀倉地帯は、社会の教科書にも出てくる有名な穀倉地帯である。今回訪れた南の黒海に面したクリミア半島は、海底の隆起で土地ができて、現在は表土に見られる貝殻が、その地球の歩みの面影として残っている。
ある農場に視察に行き水田を視察することになった。広大な面積である。ツアー参加者が「収量はどのくらいですか?」の問いに600kgと言う数字が出てきた。全員「ほーすごい」と驚きの声を発したのには深い訳があった。単位はhaつまり60kg/10a。そうなんです、たったの1反で1俵しか取れないのです。そのことを示す資料がある。肥料使用量は2000年には14分の1、現在では少し持ち直して3分の1まで減ってしまった。理由は何だと思いますか? 答えは肥料を買うお金がない、水利費もマトモに払えないので水田を増やせない、マトモに農薬を買えないので水田はいもち病になってしまってもそのまま。そしてコメ自給率は50%が現状である。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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