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今年の市場相場を読む

秋冬期の根菜類は大丈夫か ダイコン、ニンジン、ゴボウ、レンコン

この記事を執筆している10月半ば現在の野菜相場は、上旬の暴騰基調からは下落した。しかしその推移は高値疲れが原因であり、依然として作柄不良と品薄状態が続いている。東北から関東の夏秋産地における残量の有無と、秋冬産地への切り替えを含めて、11月中旬までは不安定な相場が続くものと思われる。秋に入って煮物需要に対応する根菜類のシーズンが到来するが、猛暑の影響がどの程度残っているのか、販売側としては気になるところ。ジャガイモ、タマネギはほぼ問題ないが、ほかの根菜類の状況は予断を許さない。高値推移は産地には朗報でも、流通・販売サイドの疲弊が無視できない。

ダイコン 慈雨で関東産は回復。辛味ダイコンが本当に辛い季節を活かせ

【概況】

東京市場のダイコンは、冬場の神奈川、春にかけての千葉が主産地で、夏場は北海道と青森が受け持っている。秋から冬にかけてが需要のピークになるが、夏場でも底堅い需要がある。今年の夏は猛暑の影響で作柄が悪く、単価も高くなった。夏場のダイコンはオロシ需要が中心であり、食味はそれほど問題にされないが、秋冬ものは煮物としての需要が増えるため、品質も重視される。秋からの産地の状況はどうだろう。

【背景】

秋は東北の残量と関東産から始まる。あれだけの猛暑だっただけに、9月の初期生育がどうだったか懸念されていたのだが、9月上旬に恵みの雨があり、干ばつ基調から一転して”前進出荷”気味の生育状況となった。とりわけ秋からの主産地である神奈川・三浦地区の作柄はいい。千葉では一部、生育が思わしくない産地もあるが、全体としては回復基調と見ていいようだ。この両県が堅調なら、秋冬ものは安泰だといえる。

【今後の対応】

秋といえば、最近、徐々に人気が出てきた辛味ダイコンの季節でもある。この時期のものはしっかりと辛く、夏場の名ばかり辛味ダイコンとは違う。ただし秋掘りのものは、せいぜい年明けくらいまでしかないため、重点的な消費アピールが必要だ。辛味ダイコンは、周年ある需要に対してなんとか対応したいという動きがあるものの、あまりにも“辛くない”ものの供給が多い。そのために消費者を裏切りつつある。基準づくりが求められる。

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