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今年の市場相場を読む

秋冬期の根菜類は大丈夫か ダイコン、ニンジン、ゴボウ、レンコン



ニンジン 千葉では他品目に転換の動き。中国産に代替する産地も登場

【概況】

東京市場のニンジンは、千葉がシェア4割を占める主産地で、夏場を受け持つ北海道が2位、春の徳島、7月の青森と続く。秋冬と春に2つのピークがあるが、ジャガイモやタマネギと同様、年間を通じて一定の需要がある。今年は東北、北海道の時期である夏場に作柄が悪く、高値をつけたが、9月には回復に向かった。ほかの野菜が高騰した10月上旬でも、北海道産が出荷を維持し、入荷量は前年同期比4%減程度に収まった。

【背景】

問題は11月から主産地となる千葉産だ。そもそも冬春型の産地だが、早出しの作型については、初期生育期に猛暑の被害を受け、地上部の枯れなどによって既に生産をあきらめた産地や、引き抜いて葉物などに作付けを変えた産地もある。北海道産の残量もあまり期待できないことから、年内のニンジン相場の高騰が懸念されている状況だ。煮込み料理のシーズンが本格化するだけに、主産地の不作予想には、販売サイドも心配している。

【今後の対応】

主産地の不作予想は、輸入物の増加を招く。時期的にはオセアニア産ではなく中国産になる。しかし、その一方で、中国産を代替するような産地作りも活発化してきた。熊本や大分では、加工・業務用仕向けに3L~4Lの太物を中心に生産する産地が、10~20ha単位で登場している。7~8t取りでキロ単価は40円というから、農家は充分採算が合うだろう。太物とはいえ、若取りすれば一般流通用にも転用できるのもミソだ。

ゴボウ 単価は堅調推移。国産支持を追い風に旬の味を強調せよ

【概況】

東京市場のゴボウは、年間を通じて45%の圧倒的シェアを持つ青森が主産地。春には熊本産の入荷も見られるが、基本的に関東産地が中心となって青森産を補完している。今夏は関東産の出荷がやや減ったが、夏場はゴボウの不需要期であるため、相場はあまり敏感に反応していなかった。ほかの野菜が高騰した10月上旬には、順調な入荷で価格も前年並みで推移している。貯蔵性の高い品目の強みだ。

【背景】

ゴボウは野菜類の入荷量から見ると20位前後で、ナガイモと同クラスの位置付けにある。主要品目ではないが、なかったらなかったで困る野菜だ。10月からは青森産が中心となってくる。即売対応品ではなく、貯蔵しながらの出荷となるため、春以降の品薄が懸念されることはあっても、秋の需要期への供給に不安はない。加工品についてはまだまだ中国産への依存度が高いが、市場入荷レベルで見ると中国産は5~7%程度に縮小した。

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