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【坂上隆の幸せを見える化する農業ビジネス】
農場の時価総額を知っていますか?
- 農業生産法人 株式会社さかうえ 社長 坂上隆
- 第23回 2010年12月08日
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「儲ける仕組み」の価値
時価総額と言われても、パッと連想できないかもしれない。私も考え始めた当初は、所有する土地を思い浮かべたり、農場にあるものを書き出してみたりした。
たとえば、130馬力のジョンディアのトラクタ。5連のプラソイラやキャリアを牽引する時に大活躍する。だが、エンジンのかけ方すら分からない人にとっては、残念ながら鉄の塊以上の価値にはならないかもしれない。耕作するために購入した広大な土地も、同様に利用の仕方が分からなければ、ただの広野である。スペックの良い機械も、地力豊かな土地、立派な鉄筋の倉庫も、それらがどれだけ揃っていても使い方が分からなければ宝の持ち腐れになってしまう。
我々が宝だと思えるのは、その土地でその機械で日々作業を行なうという生産活動を通じて儲けを得ているからに他ならない。これを読み解くと、農場には個々の資産に加えて「儲ける仕組み」があることが分かる。この仕組みの価値こそが核なのではないだろうか。言い換えれば、時価総額の真の意味とは、農場という事業体で年間いくら儲けが出るという数字のことである。
予算立てにしても、事業体として売却するにしても、この発想は不可欠である。なぜなら、土地や機械を個別に取り扱うよりも、誰でもこの仕組みを使えばこれだけの儲けを得られるという事業体であれば、買い手もつくし、後継者にとっても引き受けやすくなるからだ。
外部評価を受ける
昨年から今年にかけて、タイミング良く外部から評価を受ける機会を得た。ある程度、弊社の資産を自己評価してきたつもりだが、外部の第三者からお墨付きを与えられるようなものである。今回は、農場を経営する企業としての外部評価とあって、私も大いに興味を持ったのだ。
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坂上隆 サカウエタカシ
農業生産法人 株式会社さかうえ
社長
1968年鹿児島県生まれ。24歳で就農。コンビニおでん用ダイコンの契約栽培拡大を通して、98年から生産工程・投資・予算管理の「見える化」に着手。これを進化させたIT活用による工程管理システム開発に数千万円単位で投資し続けている。現在、150haの作付面積で、青汁用ケール、ポテトチップ用ジャガイモ、焼酎用サツマイモなどを生産、提携メーカーへ全量出荷する。「契約数量・品質・納期は完全100%遵守」がポリシー。03年、500馬力のコーンハーベスタ購入に自己資金3000万円を投下し、トウモロコシ事業に参入。コーンサイレージ製造販売とデントコーン受託生産管理を組み合わせた畜産ソリューションを日本で初めて事業化。売上高2億7000万円。08年から食品加工事業に進出。剣道7段。
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