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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
いいことも悪いことも水に流して?
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第33回 2010年12月08日
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天候不順を経験した年だからこそ投資は必要だ
今年もいろいろな方たちにお会いして、役に立ったり、無駄だったりしたことを学んだ。農作物に関しての出来は春の低温、6月からの高温、そして多雨、典型的な天候不順ではあったが、輸入の食用大豆並みの価格が続く北海道産大豆の収量はまずまず。シカゴ価格に運賃・経費を上乗せされた価格と同じ北海道産麦の収量は20年前に逆戻りだった。長沼だけではなく全道で麦の収量は非常に悪かったようだが、私の収入は過去5年間の内最高と最悪の年を除いた3年間の平均のほぼ90%が保障される共済制度に加入しているので、来年も上級シートでラスベガスに行けそうだ。
天候不順な年ではあったが、やはりしっかりとやらなければならない仕事がある。5年前に農地の借地契約をした転作田3haは、150mmの土管を使ったり、普通はトレンチャーを使うところをケチらないで、幅の広いV字型のバケットのユンボを使ったりしたが、いくらあがいても水が溜まり、乾きが悪かった。アイガモ農法をやるわけにもいかず、結果として暗渠排水につぎ込んだ自己資金は500万円也。私なんぞに「どうぞ宮井さま、90%の補助事業をお使いください」なんて話はあるはずもなく、すべて自前だ。普通の暗渠だけであったら20万/haのだから、何だかんだで8倍のコストがかかった。一度投資を始めると金髪・ブルーアイおねーちゃんと同じで、早くなんとかしようと焦ってしまうのだろう。
過去の事例を調べなくてもほとんどの減収の原因は湿害、つまり土が十分乾かずに作物の生育が制限されることにある。その様な状況を変えるには暗渠作業を本格的に行なうしかない。水みちを維持するためにはいろいろな資材が使われる、粘土製の土管、プラスチック製のパイプ、砂利、火山レキ、ヤチ木だったりする。いずれにしても土質が泥炭である場合、満足できる暗渠効果は10年程度。つまり業者に頼まず、毎年10haを超える農地を暗渠整備することは金銭的以外にも非常に大きな労力と2週間程度の時間が必要だ。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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