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【ちょっとちがうぜ中国で農業】
中国との貿易自由化で日本はどうなる?
- 土下信人
- 第70回 2010年12月08日
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すべては儲けるために
中国に来た当初は、日本との違いを捜しては、「中国人はなんて自分勝手なんだ」「金儲けのことしか頭にない汚い奴らだ」などと、いちいち憤っていたものだ。だが、中国の環境に慣れてくると、逆に日本のおかしさの方が目に付きだした。
日本の農産物市場は、品質重視と言えば聞こえはいいが、結果的には余分や無駄を追求するに等しい行為をしているように見える。日本で語られている『自給率論』も、何のため、誰のために言われていることなのかと考えてみると、まるで茶番だ。
中国人のデモに騒ぐ日本のマスコミにも辟易する。上海生まれの若手作家である韓寒は、自分たちの国民性を「内政問題でデモもできない民族が日本に抗議をしたって意味がない」と言っている。それは反日デモが官製デモだからだ。にもかかわらず、毎度騒ぎ立てる日本のマスコミにはあきれてしまう。
結局、日本という国や農業がガラパゴス化しているということに、中国に来て初めて気がついたわけだ。井の中の蛙は自分であった。
そんな風に思うようになったのは、やはり中国人の価値観が日本人とは全く違うからだろう。
例えば、「空気を読む」「言わぬが花」「沈黙は金」「以心伝心」に代表される日本人気質は、中国人にはまったく通用しない。ましてや「一宿一飯の恩義」「同じ釜の飯を食べた」などという浪花節とは縁もゆかりもなく、どれだけ儲けさせてくれるかしか考えない民族である。そのことを理解できて初めて中国で通用する人間になれるのだ。
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土下信人 ツチシタノブヒト
1949年愛知県生まれ。95年、沖縄で(有)土下を設立。組織培養技術を活用した苗生産・販売を中心とした農業のコンサルタント業務を開始。上海で組織培養施設への指導を行ない、2003年同地で組織培養会社、上海百奥微繁植物有限公司を設立。HP『大きな国で』を開設。
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